自分とは一体何者なのか「Tomboy」「皮膚を売った男」心にあいた穴「空白」「ボクたちはみんな大人になれなかった」*2021年11月に観た映画

”男性”が主人公の映画が多かった今月・・・

タイトルにあげたかったけど、字数が多すぎるのであげなかった

「音楽」を扱った「リスペクト」「tick,tick …BOOM!」も

大変素晴らしかった

今月観た映画は以下

  • Tomboy
  • 空白
  • ボクたちはみんな大人になれなかった
  • リスペクト
  • tick, tick…BOOM!
  • チャサンオボ
  • 皮膚を売った男
  • 消えない罪

Tomboy

「あなたって、他の子とちがう」

それって最高の誉め言葉ちゃうやろか

思い出してみたら

男の子やから好きになるんちゃう

その子が素敵やから、やんか

いつも男の子と遊ぶロールが

新しい環境で男の子になりすます物語

幼いなりに”自分らしさ”を持つロールを繊細に描く

お父さんもお母さんも

生まれてくる赤ちゃんの事はもちろん

ロールへの愛情はたっぷり

それでもロールのからだとこころは大人に向かって

揺れたり、人とはちょっとちがう方向へ向かう

お母さんが泣いて叩いたのは

普通の時ちゃうからさ、ロール

「あなたを罰するためじゃない」

ちゃんと訳を話してくれるお母さんやんか

この先、ロールは彼女なりの道を歩むやろ

それをわかって支えてくれる友達ができたんちゃうか

壊れそうに繊細なうつくしい時間、思い出

いつか懐かしく思い出す

ロール役の子がホンマにいい!

おしゃまな妹も(誰より大人かも!)めっちゃいい!

Tomboy  公式サイト

↑ あんまり充実していなくて残念

監督はこの映画のひと ジェンダーを考えるひとつのきっかけかな

空白

古田新太のずっとイライラして怒った表情が

ラスト3分の1ぐらいから変化して

別人に見えるほど表情が変わった

怒ってばかりの時はとても醜くく

表情が穏やかになってからは「味のある顔」に

印象が大きく変わった、ここやなー生きるヒント

たくさんの「空白」が語られる

登場人物全ての心の中に、小さかったり大きかったりする「空白」

大事な人がいなくなった「空白」

充が変化したあの出会い

身勝手な自分に気づくきっかけ

その時からの変化にホッとした・・・

気づいた時が始まり

遅い、なんてあらへんのよ

空白 公式サイト

ボクたちはみんな大人になれなかった

誰もが「あの頃」を引き摺ったり抱きしめたまんま

年齢だけは”大人”になっているんやと思う

原作は燃え殻氏のWeb小説らしい

森山未来くんが主人公でこのタイトル、そりゃ観たい

21歳から46歳までを演じているが違和感なく

その年代でスクリーンを駆けていた

「絶望してる人を見つけるの、得意」というセリフがあった

彼は絶望してた?自分の現実に?

虚しいだけの仕事、結婚も考えたのにフラれた彼女

それなりに遊びそれなりに生きているけど

「絶望」と言うよりは「空っぽ」を抱えて生きてるように見えた

彼の中にずっと生きている彼女役の伊藤沙莉が

いちいち引っかかる言葉で彼を捕らえて離さず

声がハスキーなのが何とも良かった

チャラい男が地ですか?みたいな東出くんも

追われるばかりで進歩がない上司の荻原くんも

中身が女性の七瀬も

みんなどこか「大人になってない」

でもさ、誰がジャッチするんやろ

「はい、アンタは大人。お宅はまだやな」とかね(笑)

ワタシも、胸張って「大人です」とは言えへんかな

現実とどう折り合いをつけるのか

折り合いがついて割り切れている人が「大人」かもしれんな

ボクたちはみんな大人になれなかった 公式サイト

原作本 燃え殻さんは「ほぼ日」で見たような気がする

リスペクト

アレサ・フランクリンの少女から30歳ぐらいまでを描く

過日、公開された映画「アメイジング・グレイス」のあのライブまで

と言ったほうがわかりやすいかな

アレサを演じるジェニファー・ハドソンが素晴らしく

ワタシはステージより曲を作ったり録音している

セッション段階に何とも痺れた

バンドのメンバーと、姉や妹たちと

自由に曲を膨らませてゆく、あのワクワク感がたまらんかった

驚いたのはアレサは望まぬ妊娠をして

まだ周りから子ども扱いされている年で子どもが2人もいた・・・

そして幼い頃に母を亡くしている

それがのちのアレサを苦しめるのが見て取れた

スターになり高慢で勘違いしてるだけではなく

自分を責めていたんやなー

そこがあって

「アメイジング・グレイス」のチャーチライブで

彼女の歌があんなに神がかっていたのかが腑に落ちた

キング 牧師との交流も出てきて

若い頃から公民権運動にも関わる一面も描写されていた

同時に父の支配や最初の夫の暴力から逃れ

アレサが独自の音楽へ踏み出すのも

これらのエピソードは深い関係があるんやな

やっぱり人生経験がすべてに出るんやと、あらためて

リスペクト 公式サイト

サウンド・トラックはもう発売されてます

ジェニファー・ハドソンが脚光を浴びたきっかけはコレ!

あぁ、見逃してる・・・

tick,tick…BOOM!

ブロードウェイ大ヒットミュージカル「RENT」の作者ジョナサン・ラーソンの

代表作のひとつ、らしい

ミュージカル・ドラマ、らしいが・・・

また新たなミュージカルの傑作を観たなーーー

素晴らしかった!

男性でも30歳というのは大きな節目なのか

そして”タイムリミット”がいくつも彼に押し寄せる

何の約束もない生み出す苦しみ

どのキャストも歌がうまい 圧倒的な表現力

そして若くはなくてもスタイル抜群でなくても

人種がちがっても…こんな表現ができるなんて、やっぱり素敵

アメリカ、という言葉のイメージを出し合う場面がある

主人公が最初に3つの言葉を口にする

1個しか覚えていないが「虐殺」と言った

ちゃんと今に立った映画やった

夢を追う生活と堅い仕事について富裕層になる二極のちがい

マイノリティである苦しみ

アンドリュー・ガーフィールドが

こんなに歌がうまくピアノを弾けるなんて

(彼が弾いているかどうか、真実は知りません)

tick,tick…BOOM! 情報

例によって、町山さんの解説ラジオ

(このラジオより先に観たのが嬉しかった)

 チャサンオボ

タイトルは韓国の有名な海洋生物学書

この書が紡がれる物語

監督は「金子文子と朴烈」のイ・ジュニク

モノクロの美しい映画

海も月も魚も人も とてもきれいで色や匂いを感じた

特に貧しい漁師のチャンデは髪もボサボサで真っ黒に日焼けした

The・海の男 汗の匂いや魚の匂いがする漁師そのものやった

チャンデとヤクチョンは出会いから人生が変わった

チャンデは学問を深める事で

自分を含めた重税に苦しむ人々の役に立ちたかった

こういう思いがある人は強い

しかし自分の身分が高くなっても

苦しむ人々は変わらないし自分の力など何にもならない

ヤクチョンはキリスト教徒であるだけで国賊であり

島流しにされた身でせっかくの知識や学問を人々のために役立てられない

この2人の葛藤が大事なところ

誰もが懸命に努力をしても充分に力を発揮できない経験はある

その中でどう折り合いをつけて生きるか、は

みんな知りたいところちゃうやろか

しかし2人で島の子ども達を教えたり

お互いの知識の交換をしたり・・・

お互いがいなければ2人共つまらない人生を送っていたんと違うやろか

世界の流れから取り残されたような島の片隅で

広い世界を知った2人

カゴ役の女優さんがいい味を出していた(「パラサイト 半地下の家族」にも出演)

チャサンオボ 公式サイト

 皮膚を売った男

すごいタイトルやなぁ・・・それだけで引いてた

でも京都シネマはめっちゃ”押し”てる

で、予告編を見た

シリアでは自由にモノも言えへんのか・・・

難民となった彼自身がアートになるという奇想天外なストーリー

最後まで誰が味方なの?どうなるのん?予想がつかない

自由を得たはずが本当の自由ではなく

(本当の自由って、一体どういう状態のこと?)

意思も感情もあるひとりの人間が真に求めるもの

悲壮な話でもなく

冒険物語でもなく

なんとも不思議な展開で

えらい洗練されたおしゃれなムードが漂う

そこにものすごいテーマと皮肉が込められている

アーティスト役の男性がメイクをしていてピエロっぽく

逆にアーティストっぽかった

膚を売った男 公式サイト

 消えない罪

サンドラ・ブロックが殴る・蹴る

髪はボサボサ、ノーメイク

そして殴られ蹴られ顔にアザ

記憶の断片が早送りのように彼女に妹に蘇る

観ている側は最後までぐいぐい引き付けられるばかり

一体何があり、なぜ起こったのかは意外な場面で明らかになる

彼女の焦り、怒り、絶望と同じくして

かすかな喜び、外の世界の自由な空気

味方してくれるのひと 

わるい事100%なんて事は、よく見渡せばそうあるもんちゃう

ワタシはスティーブという男に「おっ」と注意がいった

過去の事件への憎しみより、今の幸せを守りたいという真っ当さ

顔が不自然に歪んだ兄の憎しみを持ち続けている姿との対比

「復讐」は”その時だけ気が済んだような気になる”

モノではないだろうか

あとで自己嫌悪や後悔が付き纏いそう

「復讐」よりも”どうやって自分の感情と折り合いをつけるか”

ここやと思う

ラストシーン、すべて報われたね ルース

えない罪 公式サイト

今月も濃厚でございました

韓国映画「チャサンオボ」も大変クオリティが高く

美しくも葛藤する深い内容

ハズレは1本もなし

「tick,tick・・・」と「消えない罪」はNetflix

ミュージカルだったりミステリーと

観ているこちらをグッと引きつける

お家に大きな画面がある人は

Netflixで素晴らしい映画を年末年始楽しめそう

ワタシはやっぱり映画館に行くけれど

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