ひとりでは生きてゆけへんね「梅切らぬバカ」「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」「声もなく」*2022年1月に観た映画

新しい年

笑って泣けるような映画

震えるような映画に出会えますように

オミクロンで大騒ぎですが

映画館での感染の話は出ていませんね

引き続き、感染予防をしながら楽しみも大切にします

今月は以下の映画を観ました

  • アジアの天使(日)
  • 梅切らぬバカ(日)
  • ユンヒへ(韓)
  • ソボク(韓)
  • シカゴ(アメリカ)
  • アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(ドイツ)
  • モンスーン(英・香港)
  • さがす(日)
  • 天使にラブ・ソングを(アメリカ)
  • 声もなく(韓)
  • ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男(アメリカ)

 アジアの天使

石井裕也監督、と言えば

「舟を編む」

「夜空はいつでも最高密度の青色だ」

本当を言うと池松壮亮くん

ここ1、2年、出る映画を非常に制限してたらしい彼が

出ている!

この映画の存在は

アップリンク京都が「2021年見逃した映画特集」に

上げてくれるまで知らなかった・・・

2022年初っ端の映画になった

オダギリ・ジョーが出てた

ほぼ韓国ロケで韓国の俳優さんとの

言葉が通じ合わないやりとりだった

みんな、傷ついてる

みんな、先が見えない

みんな、何か抱えてる

そこにあるのは「どうしようもなさ」

でも、それだけじゃない

石井監督は希望のモトである目の前にある「愛」

を見せてくれたんやと思う

ソルに何もかも置いて向かってゆけない男

・・・これもすごーくわかった子連れで

仕事も軌道に載ってなくて

ラストシーンでふたつの家族が

お腹を空かせてガツガツ食べる様子

そこが人間の強さ、そして希望やと思った

ソルが

「金子文子と朴烈」の文子役をした女優さんと知って

絶句・・・、やっぱり彼女はすごい

天使役の人、どこかで見たと思ったら

「あの頃。」のレコード店の人や!

アジアの天使 公式サイト

 梅切らぬバカ

”きれいごと”にまとめず

ハンディを持つ人たちの実際と

周りの人たちの恐れや戸惑いを説教することなく描く

世の中はハンディを持つ人たちに歩み寄ることなく

”排除”に躍起になっている

「不寛容な世の中」と言われている

困った事は毎日あって

地域の人たちの気持ちは何も変わらなかった

それでもお隣さんは少し変わった

忠さんの母・珠子さんは

悪い時は謝るが、必要以外はヘコヘコしない

「お互い様」を地で行くおおらかなひと、加賀まりこさんらしくてしっくりくる

ハンディがある人もない人も

みんな間違えたり失敗したりする

忠さんにきちんと自己紹介をする隣人にグッときた

何ひとつ問題は解決していないし

困った事だらけのまま

忠さんはお嫁さんが欲しいし珠子さんは行く末が心配

それなのに希望を感じるラスト

塚地さんの演技は、素晴らしい

簡単ではない役によくぞチャレンジされ演じ切られたと思う

梅切らぬバカ 公式サイト

 ユンヒへ

自分を罰して生きてきた、と書いたユンヒ

様々な理由でそんなふうに考えて

生きている人は多いんちゃうやろか

まわりの反応が「正義」や「常識」ではないと

今のワタシはわかるし

まわりをぶっちぎる勇気もありそうだけど

若い頃、10代20代って子ども扱いされるし

逃げたり貫いたりする強さもないかもしれん

だから「逃げてごめん」と20年もお互いが思ってきたなんて…

どちらも忘れられず、また話したくて

出せない手紙を書いたり、心の中で話しかけ続けたり

人を想う気持ちはなんてピュアで切ないのやろか

雪の小樽が美しく

この映画も日本と韓国両方で、どちらの国の俳優も出ている

韓国の監督作だった

母の秘密をなんとなく分かりながら

それを大切に考え動く娘がキーマンでした!

ふたりの再会シーンのあっけなさが心に残った

ユンヒへ 公式サイト

 ソボク

クローンだの、不死だの、国家機密プロジェクトだの

あまりに非日常な入口やったけど

人間の生と死は必要かつ自然な営みなんやなー

死ぬ事を極度に恐れる人や考え方に共感できなかったワタシ

これを観て、お別れは悲しいけれど

死は必要なものやと思った

ソボクのクローンである哀しみは

「当たり前」がいかに幸せかを物語る

家族がいる事、帰る場所がある事、頼れる人がいる事 etc…

しつこいようだが、これも韓国映画で

韓国映画のレベルの高さ、内容の濃さは年々グレードアップするように感じる

本当に間違いがない

アップリンク京都での「2021年見逃した映画特集」の1本

全然知らなかったが、韓国映画なら外さないだろうと

俳優さんもスタッフも素晴らしく

アクションもソボクのパワーを見せつけるシーンも迫力ありすぎ

「新感染 ファイナル・エキスプレス」「82年生まれ、キム・ジヨン」のコン・ユ

ソボク役のパク・ボゴム(泣いた後のシーンで顔が腫れていた!←当たり前やけど

続けて撮っているんやなとわかった)

SOBOK/ソボク 公式サイト

シカゴ

映画が終わって横断歩道を歩きながら

腕を広げて気持ちよーく歌いたくなるような

いいミュージカルを観た後って

歌って踊りたくなる(笑)

午前十時の映画祭にて 2002年の作品

これ、当時観に行ったけど

最後のロキシーとヴェルマのダンスシーン以外

きれいに忘れていた

海外のショーの雰囲気が存分に楽しめる

キラキラの衣装、セクシーなダンス、華やかでスリリングな演出

登場人物のほとんどが腹黒く(笑)

レニー・ゼルウィガー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

この2人がめちゃくちゃ魅力的で

同性ながらうっとりする(ワタシはレニーが好き!)

スキャンダルが売りの女たちは自らの罪・殺人すらネタにする

彼女らの起死回生舞台は、その迫力だけで圧倒される

松の内の間に観に行ったが、華やかなのでこの時期ぴったり

シカゴ 予告編などyoutube

シカゴ Wikipedia

これを見逃したのが、つくづく痛い

レニーの最近の作品「ジュディ 虹の彼方に」

 アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド

タイトルずばりの設定なんやけど

最後までえ?え?え?と引っ張って行かれる

「her 世界でひとつの彼女」を思い出した

主人公はホアキン・フェニックスやったんや

herの声は「マリッジ・ストーリー」のスカーレット・ヨハンソン

人工知能型OSに恋をする話やったね

見た目は人間そのもの…なんやけど

話す事がどこか変で、動きがロボットっぽい

でもその彼が実に人間的だったりする

このトム役の男性(ダン・スティーヴンス)がホンマにうまい!

揺れる女ゴコロにしっかりついてくる(笑)

複雑なアルマ役の女優さんも人間の多面体な感じが出てて

あれ?と思うくらい様々な表情を見せる(こういう女性はモテるのダ)

ドイツ語の響きが新鮮

どーでもいいけど、シャンパンで苺食べるって合うのかな?

アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド 公式サイト

 モンスーン

ヴェトナムが舞台

発展凄まじいホーチミン

7、8年前?ぐらいに行ったヴェトナム・ホーチミン

思い出を辿る様でもあった

バイクの洪水に圧倒されたっけ

ヴェトナムで生きる従兄、出会った同じ世代の女性

恋人となるルイス

みんな戦争の影を引きずり懸命に今を生きている

生まれて6歳まで過ごしたはずの故郷

戸惑いばかりの主人公の気持ちがわかる様な気がする

外側は明らかにイギリス人ではないから

ご両親はやっぱり帰りたかったのだろうか

息子2人を大学にやる事ができ

命の危険がなかったのは幸せだっただろうけど

わたしが子どもなら

やっぱり母国に眠らせてあげたいと思ったかもしれない

ハス茶を手作業で作るシーンがきれいだった

呆れるほどのハスの花の花びらをちぎってゆく

昔のままのヴェトナムもここに

クチへの日帰りツアー、以前の大統領官邸など

ホーチミンへ行った時の景色ともっと変わった姿を見た

誰でも幼い頃の記憶は曖昧で

強烈な記憶があれば、あれは何だったのだろうかと

思い返したり探ったりする

自分の中のわだかまりと決着をつける時

やっと晴れやかな気持ちで前に進めるのが

人なのかもしれへん

モンスーン 公式サイト

 さ が す

中学生の楓が

いつから父の本当の姿を知ったん?

妻を愛し献身的に介護する夫であり父は

いつからダークサイドに折り合いをつけられるようになった?

なんか前作がエグかった監督らしく

佐藤二朗さんに興味が湧いたのもある

娘役の伊東蒼ちゃんは「空白」の複雑な女の子

人間って、一面だけちゃうなーと思いませんか

自分を見ててもそうやもん

ええとこ、ダークサイド、曖昧なとこ…いろいろ持ってて当たり前

勝手に「あの人はそんな人ちゃう」と思う時があるけど

相手によっては”ものすごええとこ”が引き出されたり

”ジブンも知らんかったダークなとこ”が表面化したりする

それが、人間

佐藤二朗さんがそんな人間の多面なところを

無理なく自然に表現してはる

不器用な親爺さんみたいな人やけど

実は繊細な複雑な感情を抱えたヒト

ここで終わってええんちゃう?ってとこで終わらへん

ラストの親子の卓球ラリーは

相当練習してテイクを重ねはったんちゃうか

なぁ、死にたいって思う?

ワタシは思わへん

 さがす 公式サイト

 天使にラブ・ソングを

午前十時の映画祭での1本

大ヒットしたミュージカルやったね、確か

これ観て、ゴスペルに興味持ったなぁ

デロリスが少女の頃から物語が始まってた

歌ってるウーピー、声が出てへんのよね

聖歌隊の人たちの方がよっぽどちゃんと声出てる

でも、デロリスの功績は

みんなの持ってるものを引き出して解放した

そして歌う楽しさを共に分かちあった事やね!

メアリー・ロバートの歌がすごいなぁと思ってたら

歌唱シーンは吹き替えやったとか

アンドレア・ロビンソンという人の歌らしい

デロリスが再び捕まった時

彼女が「あなたを許します」とか

いかにもシスターらしいセリフはお芝居してるんじゃなくて

彼女の成長なんやと思う

それにしても、やっぱりハッピーになるミュージカル

wikipedia 天使にラブ・ソングを

最近観たミュージカルで良かったのは

NetflixってDVDは出ないのかな?
CDは出てます

アンドリュー・ガーフィールドがこんなに歌えはるとは思わなかった

 声 も な く

最後にチョヒの手を離せなかったテイン

チョヒが離せなかったのでなく

テインが・・・

善悪が問題でなく特殊な設定・状況下

チョヒはテインたちの仕事をわかっていたと思う

でも自分がそういう対象にはならない、というのも

わかってたんやろな

テインはチョヒに出会って

一般的な子どもや少女の一面を知ったんやな

テインが歩んできたこれまでとは全然ちがう

妹(ホンマの妹じゃないと思う)と2人

チョヒが現れた事でこれまでにない感情を味わった

テインの恵まれなさには胸が痛くなる

それにしても拷問や死体の処理、怪しげな連中との付き合い

それらが淡々としていて

特殊なのに特殊と観る側に感じさせない

聞くことはできるが話せないテイン

彼の表情や動作、「ここにいるよ」の拍手

いつまでも迎えが来ない絶望と

テインたちとの暮らしがイヤではないチョヒ

チョヒの変に頭が良いところや

逃げてもテインにおんぶされて帰ってくる

学校に戻りテインを「誘拐犯」だと先生に告げるところ

仕方がないとは言え、アンタそれ後悔するんちゃうかと思った

かなしい映画かと思って観に行った

切ない映画やった

声もなく 公式サイト

この左端がテイン役のユ・アイン

15キロ太ってこの低予算の新人監督映画に出演

韓国での権威ある映画賞5冠ですって

(この映画はかなり話題でしたが

ワタシはさっぱりわからんかった)

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男

熱量の高い映画って

そのエネルギーに圧倒され振り回される

これはそんな映画

水の汚染の怖さは水俣病やイタイイタイ病で

私たち日本人は良く知っているはず

今、静かに進行している水道の民営化は恐ろしい

デュポン、という名前は日本人のワタシでも知っている

ロゴを知っている人も多いだろう

現在進行形で裁判は闘われている

企業を弁護する側だったロブ

そのロブが変わったのは何よりも「真実」なんやと思う

自分や家族も汚染されている 命や健康がかかっていたから

相手が巨大有名企業だけに

お金に物を言わせて様々な圧力・嫌がらせを仕掛けてくる

また人々もデュポンに根拠のない信頼感を寄せていて

村八分状態になったり

被害が明らかになってからは

なかなか決着がつかない事を

裁判に立ち上がった人たちに怒りをぶつけたりと

よくあることながら、つらくなる

「お金のためじゃない」というセリフが何度か出てくる

どうせ無理だ、という冷めた目もある

現実とのすり合わせが必要だったり

気が遠くなるような裁判準備と戦い続けるモチベーションの維持は

困難を極め、現在も続く裁判で

現実は厳しいという締めくくりになっている

マーク・ラファロ(「スポットライト 世紀のスクープ」)

ティム・ロビンス(「ショーシャンクの空に」)

アン・ハサウェイ(ワタシ的には「マイ・インターン」)

ビル・キャンプ(ゲジゲジ眉毛、見覚えありませんか)

と、豪華俳優陣

実話であり、映画の最後に

デュポンで働いていた女性から

顔面奇形で生まれたバッキー氏や

ロブご本人、その妻サラご本人

裁判に立ち上がったご夫妻、その他に

ご本人が出演してらして、それも戦慄でした

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男 公式サイト

なんと言っても

1月最後に観た「ダーク・ウォーターズ」は

是非観て頂きたい

水俣病関連の映画が立て続けに公開され

大企業や政府が隠蔽している事が

少しずつ明るみに出てきていますね

Netflixでのドラマ「新聞記者」も日本の闇に随分斬り込んでるよう

エンターテイメントで世界を広げる知識を得る

そこが入り口になる事があるかも

「ユンヒへ」「アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド」

「さがす」「声もなく」「梅切らぬバカ」「アジアの天使」

一緒にいる、共に生きて行く、近くにいるひとは

血のつながりやジェンダーなど、どうでも良くて

そこに何か温かいものがあれば

ひとは生きて行けるんやなー

いろんなカタチ、いろんなきっかけ、ぶつかり合ってわかる事

ひとりでは生きてゆけへんね

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