人間関係は厄介だけど
やっぱりフッと気持ちを楽にしてくれたり
笑ったり和んだり…
そしてゆっくり作ってゆくモノやと思う
最初はお互い良いところばかり見えるからスムーズやけど
段々お互い”アク”が出てくるからー
今月は台風やら上映時間の関係やらで
思うように観られへんかった…
- デリッシュ!(仏)
- 人質 韓国トップスター誘拐事件(韓)
- Love Life(日)
- 靴ひものロンド(伊)
- あなたと過ごした日に(コロンビア)
- PLAN75(日)
- 雨を告げる漂流団地(日)
デリッシュ!
途中でお腹が軽く空いた(笑)
家に帰って何食べよ?
簡単にそそくさ済ませるごはんでなく、何か簡単で良いから作ろう!と思った
今、ギャル語のマリー・アントワネットを読んでいて(なんてタイムリー)
この映画はフランス革命前夜
貴族のお抱え料理人マンスロン(笑顔がないねん、この人。そやけどラストは生まれ変わったような笑顔。)
天才で時代の先を行く彼の料理は主人に理解されてへん
ってトコから始まるのやけどー
フランスの郊外?パリから離れた場所
美しい紅葉の素敵な東屋(って言うんやろか?)
日本で言うところの農家レストラン的な素朴でいい感じの”旅籠”
(馬車で遠距離を移動する人たちのための休憩所って感じ)
そーいうシュチュエーションが
めっちゃ自然の色が鮮やかな秋から始まって
マンスロンの心の変化、時代に敏感な彼の息子、ワケありなルイーズ
若くない男と女、彼女がなかなかしっかり者&何かワケあり
でもマンスロンの料理の腕を疑う事なく信じてる
時代はマンスロンや彼女より後からゆっくり追いついてくるんやけど
美味しいものを食べる人って見ていて幸せになる
美味しいものを作り出す人の美しさも
「食べる」とは何て根源的で、人を元気にしたり、テーブルを共に囲む人をハッピーにするのやろ
美味しいものを味わう喜びは貴族も平民もなく
レストランがまだ存在しなかった時代
身分が違う人同士が同じ場でごはんを食べる習慣がなかった時代
身分の違う男と女 料理の素晴らしさを芯から知る者同士
気球で空を飛ぶことに希望を見出す若者
その時代と今とさほど違いはないような気がした
ちなみに
帰ってからオクラ・ズッキーニ・ピーマンを焼いて出汁びたし
お揚げさんを焼いてキムチを乗っけてチーズで「お揚げさんピザ」
ごぼう天があったのでサッと炊いて1品だけのおでん(笑)
人質 韓国トップスター誘拐事件
バイオレンスとか、ホラーは苦手
これ、サイコ・バイオレンスっていうのかな
犯人グループがイカレた人間ばかり
怒鳴ったりやたら暴力的なのも怖いけど
クールで表情がない何考えてるか わからんタイプって
ホンマに怖い
ファン・ジョンミンという実在の俳優が自分を演じる
世の中凶悪犯罪だらけなんやから
ひとりで行動は危ないな
もうね、監禁状態で起こるすべてが
後につながる伏線で一瞬たりともホッとできひん
最後の最後まで「もういいから!」と思うくらいに観客すら追い詰める
犯人リーダー役がミュージカル界のスターと知って愕然
めっちゃ不気味で残酷なサイコが
場所を変えれば歌って踊ってる?
犯人グループの内部分裂(ひとりひとりが強烈キャラ)
一緒に監禁されてる若い女の子
助けを求めた近所のお爺さん・・・すべてがkey
最後の締め方にいつも「さあ、どうする」と思う
良かったなぁと思えば思うほど
これも、考えられたラスト、納得


この2本、観ようかどうしようか迷って観なかったけど
ファン・ジョンミンを語る上で紹介される作品
機会があれば観たい

出ましたね、DVD
Love Life
「淵に立つ」以来ファンの深田晃司監督
「Love Life」は矢野顕子さんの名曲から
監督が20年温めてきた企画だそう(期待Max!)
大好きな神野三鈴さんが出ていらして、それも嬉しく
始まってすぐ底に眠る闇みたいな気配を感じて
一体どこへ進むのだろう、何が起こるのだろうと不安になった
子役の男の子が伸び伸びしてて自然で「お芝居してます!」感がない
団地で暮らす生活感もすごく出てて
子連れの女性と結婚した息子への蟠りがあったりして
そう、どこにでもある小さなトゲが、そこかしこにあって
それはワタシらひとりひとりと同じで
そんな日常を人は懸命に生きてるんよね
わからなかった(共感できなかった)のが
元夫に「この人は弱いから私が守ってあげないと」と
ミョーな使命感の妙子の心理
詳しくはネタバレになるので省きますが
そういう謎の使命感、今すぐ捨てましょうよ
頼まれたならいざ知らず、お節介にも程がある
・・・って言うか、逃げたかったん???
元夫役の砂田アトムさんは実際に”聞こえない人”だそう
この人が実に人間らしい
失踪しておいて、いきなり現れビンタしたり(!)
元妻に「絶対に許せない」と言われて「当然だ」としょんぼりしたり
弱さとダメさ全開・・・
だから妙子は放っておけへんかったと思う・・・
夫、妻、家族・・・隠したり押し込めたりしてたのが
何かをきっかけに出てきて、さぁどうする
みたいに突き付けられる選択・・・(これが深田監督の怖いトコ)
愛し合っているから、結婚したから
万事うまく行くワケあらへん
その綻びと癒し、再生の始まりみたいな
あんまり見たくもない人のブラックをえぐる映画

深田監督の”淵”にハマってみて下さい・・・
(怖いから、ホンマ…)
靴ひものロンド
オープニング ダンスをする足元
いろんな足、楽しげなパーティ
仲睦まじい家族
「誰かが悪い」と決めたら、コトは解決するやろか
”正しい・間違っている”だけで測れない”人間が生きてゆく”って事
家族を愛していても恋をする事かて、そりゃあるやろう
(許せる・許せない話とは別に)
怯えたり不安がる子どもたち
不安定な母の言動は激しすぎて、どうにもならへん
よくわからんのが、父が家族の元に帰り、また一緒に暮らす流れ
成長した子ども達、特に美しい少女だったアンナが
ふてぶてしい中年女性になっていたのは、痛々しかった…
弟曰く、「母の何倍も激しい」・・・きょうだいは傷ついたまま大人になったんや
「靴ひも」がkey word
「結ぶ」イメージとはほど遠いざらざらした映画
家族だから愛があって仲良しこよし、という理想イメージは
崩れつつあると思う
仲良くうまく行ってる人たちはそれで良いし
そうではない人も世の中たくさんいる、で良いと思う
見栄で”いい家族ごっこ”をするのは、やめてほしいかな
あなたと過ごした日に

入場時、こんなのをもらって「?」
主人公の父エクトル・アバド・ゴメス博士は
コロンビアの公衆衛生に尽くした医者やったから、みたい
博士の息子さんが書いた回想録が原作(ベストセラーになった)
博士と家族が混乱するコロンビアで生きたお話
いや、もう博士の人間的な魅力にワタシも小さな女の子に帰って
抱きしめられた様な感じ
大学教授の博士は堅物でなく誰にでも分け隔てなく
愛と情熱の塊の様な人で
妻と6人の子ども達を愛し、立派な仕事をし、人間的にも魅力的
南米チリで軍事独裁政権時代
何があったかのドキュメンタリーを観た事があるが
同じ南米コロンビアでも似た様な事があったんやなー
自由や平等を求める人たちを排除する動き
博士は勇気ある発言と行動の人やけど
父を愛するあまり家族は父のそんな部分を理解していない
そこがとても残念
6人の子どものうち、たった1人の男の子、家族の中でも特別な絆の息子も
父に甘え、教わり頼るばかりで、大事な部分が伝わっていない
(父は国の現状を幼い息子に見せてきた)
ユダヤ人を差別する場面や
子どもをハグしキスをしまくる父を「ゲイだ」と言う友達
様々な偏見や差別の中で、博士は堂々とそしてユーモラスで
とてもチャーミング
博士役の俳優さんはじめ、家族すべてキャストが素晴らしい
コロンビアの映画って多分初めて観たけど
みんな身振り手振りが大きくて感情表現が豊か
家族って、いろいろあるけど
やっぱり良くも悪くも特別な関係
愛情は伝わるもんやな、と改めて
PLAN75
75歳になったら生死を選択できるシステムができた…
という恐ろしい設定のお話
ワタシ自身も歳を重ねる変化を感じるだけに
”自分ごと”と感じて観たくなった
家族がいてもいなくても
働いていて仕事があっても
どこか心細い、さみしい、不安なお年寄り
ひとりの不安・さみしさが何かをきっかけに増大した時
隣人や友達もいなくなって
いろいろやってみてもダメな時・・・死にたくなる気持ちがすごく分かった
国や働く世代のお荷物のように言われ
死ぬことを選択できる(しかも至れり尽くせりのシステムがある)事が
まるで何かのサービスのようにある恐ろしさ
それが全く非現実的とは思えないリアルな描き方に
段々怖くなり、クーラーの効きも強くて寒気がした
延々PLAN75のCMを流すTVの電源を引っこ抜く人や
宣伝の看板にものを投げ汚すような”怒り”を表す人も出てきて
救いがあるというか、まともな感覚もあってホッとする
高齢社会の問題だけでなく
貧困も描かれ、ホームレスの人が横になれないように
ベンチの手すりを若い男性があれこれ試すシーンは
何気ないようで吐きそうな気分になった
高齢者に関わる若い世代の人が
やっぱりどこか違和感を感じ、複雑な思いを見せるのが
これぞ人間やわと思った
おかしな事を「おかしい」と思わなくなったら
人間はおしまいや
「男はつらいよ」のさくら役の印象が強い倍賞千恵子さん
「おらおらでひとりいぐも」のばっちゃ役大方斐緋子さん(今回も名演)
「由宇子の天秤」の河合優実さんなど観たくなる俳優さんばかり!

台湾版が出ています
雨を告げる漂流団地
最近のアニメ、レベル高すぎて驚く
絵はきれいだしストーリーも大胆だし
女の子キャラの描き方が変わった!
今回のヒロイン・夏芽はショートカットで
サッカーもうまくて身体能力高く、ショートパンツ姿
強がる性格で、実に良いのダ
小学6年生の男の子と女の子のロビンソンクルーソーもの
この年頃らしい男子がククッと笑えた
思ってるけど言えない・・・素直になれへん・・・
そんなコースケくんが胸キュンでした(笑)
団地モノが一時続いた時があった(「海よりも深く」「団地」)
昭和30年代40年代に建てられた団地が老朽化して
壊されている時期やからかー?
ノスタルジーを誘うと言うか、物語になる舞台なのかも
のっぽくんはそういう存在かなーと思った
(観覧車にいた女の人も)
男の子とお母さんペアが2組も来てはって
カップル、あとは1人の男子や年配の女性も
いろんな層の人たちと9月終わりの映画タイムでした

サウンド・トラックが出ました
もっと観たかったのに観られなかった残念感がある
でも、改めて見直すと
今月も濃ゆいええのん観た
ハラハラドキドキ、現実を忘れたい人は
「人質 韓国トップスター誘拐事件」
おとーさんのでっかい愛情が懐かしいひとには
「あなたと過ごした日に」
夫婦や家族の危うさ、聴力にハンディがある人とのコミュニケーション
に興味があるひとには「Love Life」
生きている意味とか死とか、思うところある人は
「PLAN75」
今月、こころに残る名シーンは
「あなたと過ごした日に」と父と息子が久しぶりに会って
離れた席から父が見せた笑顔とユーモラスな動作
ホンマに素敵なので、ぜひ