秋は人をもの思いに連れて行く「秘密の森の、その向こう」「君だけが知らない」*2022年10月に観た映画

こうして観た映画をリストアップしてみると

実に”秋らしい”感がある

「秘密の森…」は森が秋やったし

「千夜、…」は30年待ち続ける女の話やし

「Good Nurse」は人間の複雑さを描いているし

秋の夜長、モノ思う秋、っぽい作品の数々

よろしければご一緒に

  • 秘密の森の、その向こう(仏)
  • スーパー30 アーナンド先生の教室(印)
  • 千夜、一夜(日)
  • ペンギン・ハイウェイ(日)
  • Meeting the Beatles in India(加)
  • Good Nurse(米)
  • なまず(韓)
  • 君だけが知らない(韓)

秘密の森の、その向こう

「燃ゆる女の肖像画」の監督 セリーヌ・シアマ氏の作品

いやぁ、美しく詩的だった・・・

なんて繊細で優しい映像やろか・・・

少女のワタシが少女のお母さんに会う、って どんなんやろ

やっぱり一緒に遊んだりおしゃべりするのやろか

・・・まぁまぁ、話弾みそうかも

印象的なシーンは

ネリーが急に父に”今日友達の家にお泊まりする”と告げて

「またにしよう」と言われ「次は、ないの」と言うところ 

ま、彼女は気付いてるからなんやけど…

いつでも、選択する時は たいてい”その時限り”

タイミングをつかみ損ねたら、もう2度とチャンスはなかったりする

無邪気な少女たちがふと見せる大人の顔に

何度どきりとさせられたやろ

母娘というのはビミョーなもの

そのあたりのニュアンスを監督は余さず表現してる

実は眠くなって途中うとうとした

「燃ゆる女の肖像画」の時も1回目、眠くて眠くて

もしかして、この監督の作品はそういうエネルギーを発してる???

秘密の森の、その向こう 公式サイト

スーパー30 アーナンド先生の教室

はい、来ました  熱い熱いインド映画

貧しさからケンブリッジへ行けなかったアーナンドが

私塾を開いて困難に立ち向かう映画

当然のように与えられる義務教育で

ワタシたちは受け身でイヤイヤ学んでいる

そやけど本来”学び”はおもしろくワクワクするもの

…これは社会に出てから学ぶ機会に感じる事やけど

”学ぶ”って、”良い成績を取る”事ちゃう

何に着目すれば問いの答えにたどり着けるのか?

どう考えるのか?ーその道筋・・・が本質やねんな

そういう”どこからどう学ぶか”を自身も考え工夫してきたアーナンドが

”学びたいのに学べない”若者たちに手を差し伸べる

世の中「お金ではない」と叫んだところで

お金がなければ立ち行かない”どうしようもなさ”

さすがインド その手の苦労は「もうええ」って程してる

サイコーにエキサイティングなシーンは

お祭りで30人の生徒が英語で劇をするんやけど

ブーイングの嵐の中、思わず取った行動が観客を巻き込み

素晴らしい舞台となるとこ!

全力でぶつかるしかない彼らの心の叫び

魂のラップが観客に伝わり

大きな大きなグルーヴになるところ

頭では負けてないのにメンタルで負けてた彼らが

ピンチになる程、力を発揮してー

この流れは世界の多くの人を励ますやろ(映画って、そこが魅力)

こんなええ事してはるのに

なんで命が狙われるのか、さっぱりわからんけど

お金とか儲けとかが命より上にあると考える人らは

世界をあかん方に動かそうとする

負けたらあかんのや そーいう連中に

スーパー30 アーナンド先生の教室 公式サイト

千夜、一夜

ワタシなら…待てへんな

「わからない」と言う主人公は正直や

もう記憶さえ薄れ愛があるのか待っているのかすら、そやろな

同じ境遇の彼女が新しい人生に踏み出した途端の皮肉な現実

混乱、困惑、怒り…ぐちゃぐちゃになるのもわかる

結局、失踪って「ふと思い立って」してしまうものなんやろか

主人公とはまた違って「待つ」人たちが出てくる

思い続けている近くの人が振り向くのを、待つ

息子の帰りを、待つ

死を待つ

切ないなぁ・・・

田中裕子さんが主演

さすが、でございますわよー

言葉少なでひと言のニュアンスがめっちゃ伝わる

美人ではない、と思うんやけど

やっぱりきれいやし・・・

首元に年齢が出てるけど、それをそのまま見せる潔良さ

他、俳優陣もうまい人ばかりでぎゅっと絞まってる

佐渡島の漁港、生活感がホンマモンで

田中裕子さんなどずっと長靴に柄物割烹着姿

きれいな手つきでイカを開いてワタと足を分ける作業を見せる!

主人公の母の死に様、母の棺桶に入れようとしたもの

監督は男性…このあたりの繊細さに脱帽

千夜、一夜 公式サイト

田中裕子さんと言えば、この歌を思い出す「天城越え」

(イチローの登場曲としても有名)

田中裕子さんのコミカルさとかわいさたっぷり

(歌も聴けます)

ペンギン・ハイウェイ

いやぁ、楽しい!

アニメーションのレベルの高さに驚きとときめき

大人のお客の多いこと!

奇想天外でいて爽やかなファンタジー

へんちくりんな少年が可愛くて愛しいわー

あんな年頃からああいう考え方や実験を繰り返してたら

きっと豊かな大人になるナ

少年をドキドキさせる美しさが単なる性的対象的な描き方でなく

ちゃんとひとりの人間、かつ女性になってる

そういうキャラクターにバッチリ合ってるのが蒼井優さんの声

ジェンダーの描き方って、その作品のレベルを感じる基準のひとつやなーと

アニメーションでは特に感じる

”女の子や女性はこんなもの”というステレオタイプの押し付けがなくなってきてる

意地悪で乱暴な男の子の描き方も

ちゃんと彼らの葛藤や心の成長を盛り込んでいるのが

ちょっと泣けるやないですか

先月の終わりの「雨を告げる漂流団地」の監督前回作

ちょっとその生まれる前の萌芽を感じる場面があった

確か原作読んだのやけど、こっちの方がおもしろいかもー

ペンギン・ハイウェイ 公式サイト

原作は森見登美彦氏

独特の文体と世界観の不思議なひとです

京都が舞台になっている事が多く、彼の作品は何冊か読んでいます

Meeting the Beatles in India

ビートルズがインドに行って

瞑想をしたエピソードは知っていたけど

そこに居合わせた青年(この映画の監督)との不思議な縁で

誕生したまさにミラクルな映画

ビートルズについて、そんなに詳しくはないのだけど

一昨年かな?NHK-FMで1年間「Discover Beatles」やっていて

途中で知って、おもしろくて聞いてた

それがあるから、ちょっとわかる(笑)

彼らがインドに行ったのは「ホワイト・アルバム」誕生前のタイミング

このインドの後、彼らは道を分かつ

でも、インドでの彼らの様子を見ていたら

当時彼らは世界的スターになっていたのに

音楽好きの仲間が彼女や奥さん連れで休暇に来ているって感じ

ワタシも瞑想をしているけど

また新たな気持ちで学び直したり他者と一緒にしたくなった

明日の瞑想は、ビートルズと一緒にするイメージを持ってみよう

Meeting the Beatles in India 公式サイト

GOOD NURSE

エディ・レッドメイン、ジェシカ・チャスティン

実力派の2人が出るなら、面白くないはずはない!

Netflix映画

怖い…じわじわ怖い

チャーリーがじっと見ているだけで

伏せていた目を真っ直ぐにエイミーを見るだけで

エイミー役のジェシカのげそげそに痩せこけた顔に

まず驚いたんやけど

コレもこの物語の大事な要素

チャーリーの普段めっちゃええヒトぶりと

なんか闇を感じる「怖さ」とエイミーの○○の「怖さ」

幼いエイミーの子ども達も大丈夫なんやろかとハラハラ

またエイミーが夜勤ばかりで疲れ果てていて

子ども達と一緒に過ごせない

健康保険もなく、シッターさんへの支払いでエイミーが必死で働いても厳しい家計

この辺りのアメリカの現実はホンマ辛い

だけど良心や人間らしい気持ちを失わず

エイミーにとっては良き友人のチャーリーに罪悪感を感じつつ

真実を解明し新たな事件を起こさない様に

悩みながら忙しい中協力する生き方・・・

2時間ちょい

集中が一時も切れる事なく

少しずつドキドキが高まるじわじわくる怖さ

お楽しみあれ

GOOD NURSE 公式サイト

エディ・レッドメインと言えば「博士と彼女のセオリー」とこれ

難しい役にチャレンジする彼は魅力的

つい先頃の「シカゴ7裁判」でも圧巻やった

ジェシカ・チャスティンと言えば、ワタシはコレ

頭の切れる振り切った悪女役は今回のシングルマザー役と正反対

この人が出るなら「観たい」と思わせる俳優さんのひとり

なまず

びみょー・・・

わかりやすい映画が良い映画とは限らへん

そやけど、は?なんなん?みたいな映画は少々、お後が宜しくない

これはその手の映画

アップリンク、そして出町座が欠けたので観たんやけど

(しかも韓国映画)

んーーー、凡人にはイマイチよーわからん感じ

「三姉妹」のムン・ソリ

「ベイビー・ブローカー」のイ・ジュヨン

ユニーク過ぎるソンウォン役 ク・ギョファンは「新感染・ファイナルステージ」

(え?どんな役でしたっけ)

信頼がどんなふうに築かれ崩れるのか

それがテーマやったらしい・・・

我が身の受け取り方の狭さに身が縮むが

ワタシには よーわからんくて 少々眠かったです

なまずは必要?ポップで都合の良い病院は?

公式サイトを読んだけど・・・

「観て良かった」にはなりませんでした

なまず 公式サイト

君だけが知らない

やっぱり、お兄ちゃん欲しい

ずっとずっとお兄ちゃんがいたらなぁ、と思ってた

いつの間にか忘れて、この映画を観て 思い出して欲しいと思った

疑わせて裏切る、話の構造が分厚くて単純でない

韓国映画の面白さ、ぎゅぎゅっと詰まってる

スジン役の俳優さんソ・イェジさん

なんてきれいなお肌!白くてもっちり シミもシワもない

すべてのパーツがパーフェクト!

白いブラウスに淡いピンクのフレアスカート

ストレートなワンピース姿

ジーンズにメンズっぽいジャケットスタイル

シンプルながら品の良い装いがとても似合ってた

何があっても、どんな時でも見捨てない

大ピンチの時に助けてくれる存在って

やっぱり家族なんやろうかねぇ

でも、お兄ちゃん

自分のしあわせは”妹を助け支える事”で良いの???

ラストシーンは泣かせるんやけど

それで良かったん?後悔はないの?と思うわー

監督はソ・ユミン 女性「8月のクリスマス」「四月の雪」のホ・ジノ監督の元

助監督や脚本を手がけた人なんだって

「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」「四月の雪」の脚本は

この人!!!

君だけが知らない 公式サイト

いろいろ突っ込みどころはあれど

日本が韓国にした事、こういう事やねん

この10月は私の誕生月でした

ちょっとミステリアスで意味深な作品が多かったんちゃいますかー

(それって蠍座の影響受けてるやん)

「Meeting the Beatles in India」

ビートルズも瞑想を学んだ!

その後、彼らはそれぞれの道へ進みビートルズは解散した

瞑想は自分のホンマのホンマに気づく旅

あなたの映画旅も

見えないけれど

あなたの心から欲する道へ続いてるかも