暑い時間帯は映画館がいい
帰り道がどんなに混んでいようと、まだまだ暑くても
ふわーっと異世界から現実へ戻る感覚が好き
ドキュメンタリー2本
ヨーロッパが舞台5本
アニメが1本・・・などいろんなジャンル分けができるけど
今月もええのん、いっぱい観たなー
- ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう(惹爾日亜)
- ぼくたちの哲学教室(愛蘭・白耳義・英・仏)
- Julia(s)(仏)
- 青いカフタンの仕立て屋(仏・摩洛哥・白耳義・丁抹)
- アーティスト(仏・米・白耳義)
- 探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(日)
- CLOSE(白耳義・仏・蘭)
- 渇水(日)
- 絶唱浪曲ストーリー(日)
- 大いなる自由(澳州、独)
- 帰れない山(白耳義・伊・仏)
- 君たちはどう生きるか(日)
- パリタクシー(仏)
- ランガスタラム(印)
ぼくたちの哲学教室
ケヴィン校長先生の哲学授業、ぜひ参加したい★
このドキュメンタリー先々週だったか、日曜のお昼の回に行ったら満席
多くの人がこの映画に集まる事に希望を感じる
「ベルファスト 」という映画を少し前に観た
アイルランドの紛争が今も、人々を分断させ対立させている
なんと街中にリアル”壁”まで存在しているから驚いた
「男の子だから泣いたらだめ」
「やられたらやり返せ」
この男子小学校の幼い男の子たちは、こんな価値観を親から受けている
(この地域だけのもん、ちゃうけど)
友達と暴力的な喧嘩をしたり、何か問題があった子どもは
「今、どんな気持ち?」と別室で先生や校長先生と1対1で話す
”思索の壁”というのもあって自分の思いを文章にして整理する
(先生達は一方的に怒らない、子どもの言葉を引き出す)
ふてくされてた子が自分のやった事を客観視して
謝りに行ったり前向きに動き出す姿
何が嫌なのかを話すうちに整理できてゆく変化
…ひとつひとつの経験が彼らを創ってゆく
「ちゃんと話そう」「言葉にしてみよう」
今の嫌な気分から抜け出せない子には「気分転換に散歩しよう」
先生達のきめ細やかなケアには頭が下がる
そしてこの街で起こった事、暴力・暴言・火炎瓶・怖がる子ども
などのビデオを見せ、何があったのか、どう感じたかを
子どもたちに考えさせる
正解はないから「どんな意見にも価値がある」と一切否定はしない
子ども達は自由に自分の意見を述べる←ここ、ホンマ大事
子ども達は日常的に対立と分断を目にして感じている・・・
この映画に人が集まっているのは
どこの国にも今、”対立と分断”が起こっているから
その”対立と分断”より、向き合わないといけないものがあるというのに
ジョージア、白い橋のカフェで逢いましょう
ジョージアって、旧グルジア、旧ソ連の一部
グルジア語の表記がデザイン文字みたいでキュート
物語、と言うよりはジョージアを紹介するドキュメンタリーみたい
そして”映画”という概念や人々が求めるものが当然ながらちがう
何が始まるの?なんであんなに子どもの映像が?
いろいろ?が生まれながら、何かが始まりそうで始まらない(笑)
散々、引っ張っておいて”第1部終了”と出て驚いた!
大して意味のない映像や小さなエピソードを延々見せる
とってもまわり道をして、え?これがラスト?(笑)
どうやら、ワタシの頭は”意味がある”とか”ストーリー”を求めている
そこを「は?それだけが”アリ”なんですか?この世界は?」的な映画
でもみんな長い割に退屈…(笑)していてエンドロールの途中で帰る人多かったな
異文化、ちがう価値観
島国で生きるワタシらはどうやら狭いようやから
こーいうもん、観た方が良いの・・・でしょうね?
Julia(s)
もしもあの時…誰だって一度は考えた経験はあるやろな
ベルリンの壁が壊される瞬間のシーン
すーーーごく良かった
よくある2パターンで最後まで比較、ではなく
こっちを選んで、さらにこっちとあっちがあって、と枝葉が分かれるように
実にニクイ場面転換をして彼女の行先を見せる
ほぼ大学生か20代の女の子がお客やった
帰りに「いやぁ、考えさせられるわ」と言った彼女
”正解をつかみたい”気持ちはわかるけど
いかに選択するか?がテーマではなく
どんな道を選んでも山あり谷あり幸福あり、なのね
こっちを選んだから失敗💧…人生はそんな単純なもん ちゃうもんな
この人だ、と愛する人と結ばれても愛が冷めたり子どもとの関係があったり
人は皆、その時その時 最善の選択をしていると思う
一見、華やかに見えて実は孤独だったり
女性は仕事・家事・育児とフル回転してるリアルも描かれ
”愛”だけではまわらない日常まで見せる(フランスですら、これですから)
ジュリアを演じる女優さん、かなりの力量と見た!
こんなにスピーディ、かつ深いフランス映画初めて観たかも
青いカフタンの仕立て屋
モロッコのサレという街が舞台
夫婦の部屋、店、公衆浴場(男性だけ?)、食卓など
こんな暮らしをしてはるんやなーと興味深い
糸を撚るところから始まって細かな刺繍は男性の仕事
この国の伝統衣装カフタンを作る店
いくつもの美しいカフタンをたくさん見た
暮らしという日常に美しいカフタン、男性の美しい体・・・
官能的な、と言うのかな 汗の浮いた筋肉質な体や
愛しい人を見つめる目とか、触れる手とか
セリフなしの美しい映像もたくさん
習慣・文化も珍しかったのやけど普遍的なもの
嫉妬や長い間に培われた夫婦の愛情、一度は去ったが
気になって力になろうとする気持ち
国は違えど、人間ってそういうところ共通するんやなー
遠い遠い国やのに
背骨が浮き出るほど痩せた妻の体
失った乳房の跡、淡々と見せるカメラ
人が死んだ時の儀式?お墓まで親しい人たちで向かう
最後の場面の美しいこと!
夫婦の秘密、妻が残したメッセージ
静かな夜明けみたいな映画
アーティスト
ギャガ・アカデミー賞受賞特集上映にて
84回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・衣装デザイン賞受賞
見逃していて心残りでいた作品
ハリウッドがサイレント映画全盛の頃からトーキーに切り替わる時代
人は変化に興味があるのに古いものにしがみつく
なんでやろ?
あれだけの人気と器用さと実力があるのなら
パッと転身してしまえば、あんな事にはならへんはず
音楽だけはずっと流れていてサイレントで物語は進む
人が変わるきっかけって様々
こっちに行くべき!と映画や小説だと選択ミスじゃないかと
よく思うが、その人が腑に落ちる瞬間は誰にもどうにもできない
そのきっかけをつかめないまま、ずっとそこに居る事を選ぶ
という選択肢もある
変わっても良いし変わらなくても良いはず
なのに、この主人公を見ていて、もどかしくなった
人が再生するプロセスっていいもんだ
憧れの人の上着に自分の右手を入れて自分の腰に手を回し
ひとりでラブシーンを演じるシーンや
テーブルが鏡のようになっていてお酒をこぼし、また自分が映るシーン
足元が抜けた壁のこっちと向こうでタップダンスをするシーン
などなど素敵なシーンが満載
なるほどねぇ、白黒でここまで綺麗なのってすごいなー

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日
今をきらめく伊藤沙莉さんが主演
何やら漫画チックな雰囲気で気になっていた
竹野内豊さんがダサカッコいい感じとか
「さがす」の片山慎三監督
「ミッドナイトスワン」(観てへんけど)内田英治監督が組んだらしい
←後で知った
短編から成っている映画で
馬鹿馬鹿しくもそれなりに楽しめ深さも感じた
出演者に今、あちこちで引っ張りだこの宇野祥平さんも
ダメ男が妙にハマる北村有起哉さんも(笑)
全然探偵らしくなく、なぜに名声が人を呼ぶのか意味不明なマリコ役の伊藤沙莉さんとか
いい意味でいい加減で大事なところを締めてる映画かな
マリコとマサヤの年の差カップルの感じとか
傷を抱えたマリコとか
歌舞伎町に意味があるとか
ま、それなりに楽しみました
CLOSE
どうしてこんなに切ないのやろう
始まってしばらくしたら涙がじわじわ、じわじわ
レオとレミの痛みをワタシは知っていた
丁度周りの目を気にし始める中学、新しい環境
当たり前に思っていた関係を「カップルなの?」とか
「オトコオンナ」とか男の子のレオに「生理か?」とか
ふたりがお互いで満たされている気持ちはバランスが取れていたのに
新しい環境で、自分やその関係が”変”だとからかわれる…
そこに反応しない人はいないはず 彼らは12歳なんや
変だと見られたくないレオ
周りの目より自分の気持ちが優先のレミ
お互い自分にないものを相手が持っている
まだ幼い彼らは言葉よりもお互いの温もりを求める
兄弟のように育ち暮らしてきたからな
それを拒んだレオと「なぜ?」「どうして?」と求めるレミ
おとなになってゆく道のりって、どうしてこうも痛くて切ないのやろ
あの気まずくなったジャレ合いからの喧嘩っぽいシーン
あそこから2人のズレが切なくて切なくて涙💧
ドウシヨウモナイ、うまく言えない、だけど周りの目が・・・
というレオの気持ちも
どうしたの、レオ?と
これまでのまま求めるレミのすれ違い
これ、すっごくわかる 他者はやっぱり”他者”で”自分”ではない
案外早い段階で決定的なコトが起こる
その後の自分の気持ちどころかホンマの事を言えへんレオ
そしてレミの家族が気になって仕方がない、レオにとっても家族のような人やから
おとなになるプロセスって、こういう
誰にも言えへん秘密をいくつか持たずには先へ行けへんのやろか
目が合ってる?ってくらいレオの目が
ワタシとバッチリ合ってる!?みたいなシーンが何回かある
その瞳はこちらの目を捉えて離さへん・・・
この傑作、レオとレミぐらいの少年やそれ以上の人に
是非是非、観てほしい
周りの目よりも、一緒にいてめっちゃおもろい人が目の前にいたら
迷わずその人を取るべきやから
その選択を迷ったり誤ることが大人になることやから
こんな思いをしないで大人にはなれへんから
渇水
白石和也監督が企画・プロデュースと聞いて
社会的な要素もある、と噂を耳にして
電気や水道、ガスなど命に関わるものの管理は
儲けを最優先にする”企業”に任せるとえらい事になる
映画に出てくる人たちは「払えるのに払わない」人たち
いや「払ってしまうと他にしわ寄せが行く」と言うべきかな
まずは”食べる事”が優先やと思うけど
人によって優先するものの考え方や本当に必要なものは違うから
そこに介入する”停水執行”係はなんてつらい仕事なんやろ
なんとなく、と言うより「ただ仕事だからやっている感」
失望している妻と愛されていないことを感じ取っている幼い息子
ワタシも主人公に共感もなく魅力も感じなかった
ラストの展開があまりに唐突で
社会的な話を描きながらファンタジーな終わり方で
納得できなかった
あれだけ突飛な行動を取るのなら
自分の家族に向けて、じゃないかな?
原作を読んでみたいな、という気にもならなかった
絶唱浪曲ストーリー
浪曲!?って感じですが
子どもの頃、父が「清水次郎長親分」のLPレコードをかけてた
「旅行けばぁーー、駿河の国にぃ茶の香りィーーー」今でも出てくるフレーズと調子
予告編が印象的やったのね
絶対これええでと直感
芸を磨きに磨いたベテラン浪曲師と弟子入りした若い女性
芝居あり歌あり、でも落語とも講談ともちがう…のでしょうね
一時はものすごい人気があり、たくさんの小屋があり浪曲師がいた
何度も出てくる木馬亭は東京大空襲で残った建物…だとか
いろんなエピソードにいちいち感心していた
木馬亭の舞台裏や結構いる若手の女性
小柳さんの色っぽいやら凛々しいやら、渋い声の舞台を見ていて
小そめさんがなぜか弟子入りした気持ちがわからなくもない、と思った
彼女はちんどん屋さんに弟子入りして師匠を亡くし
なんの気なしに見た浪曲、小柳さんに胸を撃ち抜かれ
人生をかけて追いかけるものに出会った…今が生きづらいという彼女の話は”共感”のひとこと
ここだ!と思える場所や人に出会えるしあわせ
この素晴らしい芸が、その方が亡くなりある日突然途切れるショック
なんとかしたい!と思うのは極々自然やと思った
師匠が亡くなり三味線の祐子師匠が彼女の身を預かり
(浪曲は三味線の人と唸り手?が共に作り上げるもの、なんですって)
97歳とかなんとか、びっくりするお年
掛け声と三味線の音、このコンビネーションのライヴ
普通の高齢者に見える祐子師匠がバチを握って三味線を鳴らせば
思わずノせられ流れに巻き込まれてしまう
若い女性がスタッフに弟子に浪曲師協会に集い
彼女達の力にベテラン勢は支えられ
よくある”芸の世界の師匠の厳しさ”はほとんど感じられず
家族のような温かさが漂う
大いなる自由
時空の越え方、場面の切り替わりが夢を見ているような
なんとなく思い出す人の記憶のような感じで
懲罰房の暗闇は過去にも未来にもつながっているようやった
あらためて恋や愛は異性だろうが同性だろうが同じ
相手を愛しく思う気持ちは同じ
それを「良い」とか「悪い」とか、それこそが”タブー”ではないか?
特殊な環境下では”性”は歪む
戦争や軍隊、刑務所や貧困…
Me tooムーブメントで明らかになりつつある映画や演劇界、エンターティメントの世界
どれをとっても、いろんな話が思い浮かぶ
若い頃のハンスは暴力や暴言に
無口で反応に乏しく収容所での過酷さが窺えた
その彼の長い時間の変化 彼の心中を感じ取るヴィクトール
こういう展開になるのか、という冷静な頭と
映像の美しさ、ダンサーでもあるハンス役のフランツ・ロゴフスキの美しい肉体美
など視覚的な”美”を感じた
恋人に会いたい気持ち、秘密のラブレター、深い悲しみを理解する姿
など目に見えなくて感じ取る”美”もたくさんあった
ハンスもヴィクトールも、決してわかりやすい”イケメン”ではない
なのにとても魅力的だった
外側って内側が伴えば、いくらでも魅力的になるんやな
このタイトルの意味
最後にハンスが選んだ”自由”←そうやろな、と予想がついた
帰れない山
都会っ子のピエトロと山育ちのブルーノ
大自然の中で転げ回って遊ぶだけじゃなくて
ちゃんとお互いを見て思いやっていたのに
大人になるにつれ、距離が開いて一時期は全くやりとりなし
そういうのって、あるなー
またパッとつながると、そこには揺るぎないものがあったりして
父親への反発、消化できない思い…ここらへんもわかるナー
親を亡くして何かが大きく変わるピエトロ
←これも経験済み、友達にもこーいう人いる
同じ経験が絆を深め忘れられない記憶になる
少年の頃の一緒に氷河を歩いた事
大人になって廃屋を2人で建て直した事
アァ、こうやったな そうそう、こんな感じと
2人が大人に向かうプロセス、大人になってからも
すごくわかる部分が多かった
登山や山の暮らしの映像が本当に素朴で美しく
逃げたり迷ったり間違えたりする青年期も自然な描写で
ピエトロもブルーノもいろんな面を持ったひとりの人として
ちゃんとこのストーリーに生きていた
ラスト近くのブルーノとその家族の苦悩
なんとかしてやりたいピエトロ
結局、あの話題が伏線になっていた結果になって
生きる素晴らしさと哀しみがギュッと凝縮されていた
結果を急がない映画で
まるで彼らと一緒に山登りをしているようなスピードで物語は進む
少年だった彼らが中年に差し掛かるまで
「もう、あの山には帰れない」という気持ちが、めっちゃわかる
イタリア映画は、得意ではないと言うのか
文化の違いなのやろうけど、一体何が言いたい映画?と思う事がよくある
これは、そんな事なかった
隣に座ったカップルの男性が
人気のハリウッド物だけが映画的な感じの発言をしていて
他にも聞くに耐えない発言があった
映画が終わるとしんみりと彼女にいろいろ質問していて
それなりに何か受け取ったんやなと、ちょっと安心した
君たちはどう生きるか
情報非公開?
米津玄師が主題歌というのはどこかで知った
高校生からシニアまで幅広いお客さんが来てた
青鷺は賀茂川でよく見る大きな鳥でワタシには身近な鳥
その鳥の中になぜか…おじさん(笑)
鳥がたくさん出てくる、ペリカン、インコ・・・なんの比喩やろ
意味深で不思議ワールドが広がる
新しいおうちの可愛いくてユーモラスなおばあちゃんたち・・・
声を担当した役者さんたちを見てびっくり(声優陣が豪華)
世界の上と下、積み木で世界をつくる、子ども時代の母と出会う
新しい母を受け入れるプロセス・・・
少年が大人になる…ファンタジックでありリアルの匂いもして
ワタシもそうやけど「わかる」「わからない」で観てしまう
ホンマのとこ、「受け入れられる」「受け入れられない」やと思う
この映画もそういう微妙なとこに入るやろな
最後まで「どうなるんやろ」と予測がつかず
でも冒険的でありユーモラスでかわいらしさがあって
あのかわいいおばあちゃん達、あの家に残ったんかな
それとも、もういはらへんのやろか
あんなにたくさんのお手伝いさんがいるってのも、どうかと思う(笑)
そう、いろいろ突っ込みどころはあれど壮大な話で帰り道は清々しかった

映画の中に出てくる本
(このタイトルを借りただけで中身の映画化ではありません)
パリタクシー
不機嫌な人が苦手や(ま、得意な人もいいひんやろけど)
この運転手の顔、イライラしていているのが丸わかり
彼のタクシーになど乗りたくない
マドレーヌの瞳がホンマに綺麗で見惚れた
ただ”可愛いおばあちゃん”でなく言いたい事はしっかり言う
そこが素晴らしく、だからこそマドレーヌに魅了される
パリの街をタクシーで流す(ひょー、カッコいい!)
マドレーヌの驚きの告白、自分の暮らしに満足していないシャルル
いつしかマドレーヌとシャルルに温かいものが流れる
人と人とは、本来こういうもんよね?
損得じゃない”感じ取る何か”
それはお金や現実を遥かに超えるもの
腕を組むって、いいなぁ
ワタシも”温かいものが流れた”人と腕を組んで街を歩きたい
そんな気持ちを受け取ってくれる人と
夜のパリもロマンチックやったなぁー
シャルルの最愛の奥さんもお嬢さんも瞳が印象的な魅力的な女性
瞳って語るなーーー
ランガスタラム
お久しぶりのインド映画
ツッコミどころ満載なのは相変わらず
歌にダンスに(そこ不自然ちゃう?という部分もあり)大人数を投入してのパワーとエネルギー
主人公が難聴、という設定がハッとさせる
でも堂々と生きてるチッティ
カースト、識字率が高くなく、十分教育を受けられなかった人々
インドの農村の人々が行政に騙されて
不正に気づいて声を上げた人が殺される、という社会的な物語
・・・なのだけれど、ここでもツッコミどころ満載(笑)
深いメッセージをコミカルに見せようとしてるんやろけど
成功してへん・・・
インドでのブラックユーモアって、こんな感じなんやろか?
公式サイトを見ると主人公の演技や映画自体、高く評価されてるようやけど
ワタシは中途半端やと思ったけどなー
ラストも、え?ここでこう終わりますか?と・・・
暴力と殺人シーンが結構あって
結局、復讐もの???
タイトルは村の名前で、村としては長い間の同じ村長から変わるのだけど
インド映画を観た後の高揚感・ハッピーな感じが
ワタシはなかったなぁ・・・
チッティのおばさんが、ラスト近くに表情から佇まいから
知的で品を感じる別人のようになる
あれが、ランガスタラムの希望なのかもしれんな・・・
男性の腰に布を1枚巻いてる服装がとても自然で良かった
(以前観たインド映画で暴れ狂う牛の話でも、男性は腰布やったな)
その時代と地域の雰囲気を出すのに、かなりの力を入れたよう
おとなになるプロセス、その切なさを取り上げたもの
生きる喜び、苦しみと哀しみ
全部の作品を並べてみると、全体からそんな言葉が浮かび上がる
いろんな経験をする事こそが尊く愛しいのやわ
辛くても腹が立っても、そこで終わらせず前へと歩むと
それが変化するから(とても時間がかかる事やろけど)
酔い続けているかなしみなど、本当のかなしみではないとわかった
深い後悔と懺悔や孤独…それを知っているかいないかの差は大きい
映画から話は逸れるが、今月読んだこの本もさっき書いたような事を思った


この夏、歯応えのある本を読みたい方に