三上満先生が亡くなられた
金八先生のモデルと言われた人
一時期 看護学校の校長もしていた人
わたしは彼の本を何冊か読んだことがあり
とても影響を受けたので
この人の名前が焼き付いている
亡くなられた悲しい知らせ
83歳になっていらっしゃった・・・
三上先生は東京で26年間 中学校の先生を勤め
先生達の労働組合の役員を長くされた
その後5年間 千葉の看護学校の校長先生として活躍された
多忙な中こども達に寄り添い
生涯をかけて多大なる影響を受けた宮沢賢治の研究を続け
第18回岩手日報文学賞の堅治賞を受賞
こどもや教育 宮沢賢治の著書もある
わたしは三交代の勤務をしていた頃 学生指導を経験し
その頃三上先生の言葉に出会った
「人間とは面倒くさいものだ」
自分を含めて本当に実感してきたこと
わかっているのにできなかったり
悪いと思っているのに素直になれなかったり
だけど「ごめんなさい」が言えない分
そっと手伝ったり影から助けたり
そういう憎めないところもある人
当たり前のことを知って実感する経験をしてこそ
人は本当の意味で学ぶ
知識と経験が結びつかないと本当の理解はない
看護学生を指導する経験
現場で後輩や中途採用の人と一緒にやること
その中で誰ひとり
シュッと難なく全てをこなし
医師や上司や患者さん、同僚から愛される人
そんな超人に出会わなかった
いい人なんだけど
ひと言多かったり お調子者だったり
へんなところで馬鹿正直だったり
けれど憎めない そんな人ばかりだった
三上先生 ホンマですね
人って本当にめんどくさい!
わたしもホンマにめんどくさい!!
時々どこかで先生に話しかけていた
今も手元に持っているのだが
三上先生と他おふたりが対談されたご本の中から
学生達に贈った言葉
人間が育つ四つの出会い
自分の未熟さとの出会い
自分を必要としている人との出会い
憧れの人との出会い
まんざらでない自分との出会い
自分は何に向いているのか、何になったらいいのか
果たして医療や看護に向いているのか…。
失敗したり、つまづいたり、悩んだり、
自己嫌悪に陥ったり…。
もう本当に人の前に出るのが嫌だと
思ったことだってあるでしょう。
死にたくなったこともあったかもしれません。
そうしたことは、みなさん誰にでも
あったことでしょう。
そんなことを経験しながら
自分を見つめ、自分をつくっていくわけです。
こうした自分との猛烈な格闘は
人間しかやらない本当に凄いことです。
実習を終えた学生達に
病棟スタッフも一緒に書いてくれた
「わたしが看護をする上で大切にしていること」
そんな手紙と一緒に渡した言葉
人の成長はまっすぐに階段を上がって行く
のではなくて
螺旋階段を上るようなもの
こどもや学生をあたたかいまなざしで見つめ
彼らの可能性や気持ちを信じて寄り添って
言動が一致した生き方をされた三上先生
あなたも今何かに悩んでいるとしたら
それは大きな壁をぶち破る手前なんだよ
三上先生はそんなことを教えてくれた
先生
めっちゃめんどくさいわたしと
笑いながら付き合ってゆきますね
ご冥福をお祈りします