なんでもアリのカオスな世界 どう感じてどう見るのか?映画は問いかけている*2018年8月に観た映画

 

 

 

酷暑の今年は涼みに映画館へ

そしてホールや美術館など

映画イベントへも

 

 

 

関西の美術館が

7月8月中に使える加盟施設を

利用できるパスポートみたいなの

発売してた

 

 

 

映画館もやってほしいなー

 

 

 

 

 

  • THE PROMISE
  • ブルーム・オブ・イエスタディ
  • ヒトラーを欺いた黄色い星
  • キートンの大列車追跡 ★
  • father
  • ゲッペルスと私
  • 砂の女 ★
  • モリのいる場所
  • 30年後の同窓会
  • ガザの美容室
  • 志乃ちゃんは自分の名前が言えない

 

以上を観ました

★は映画館以外の施設で観たもの

 

 

 

 

THE PROMISE 君への誓い

 

 

第一次世界大戦でトルコが

アルメニア人を大量虐殺し

未だトルコ政府はその事実を認めていない

 

 

わたしはこれを

「消えた声が、その名を呼ぶ」

http://www.bitters.co.jp/kietakoe/introduction.html
という映画で知った

 

 

 

或る日突然アルメニア人だというだけで

捕らえられ奴隷になる

夢も希望も家族も仲間もすべてを奪われる

 

 

 

嘘の不安や恐怖で

集団を悪い方へ引っ張り

暴徒化させるのは いとも簡単で

わたしたち人間の弱さを見る

 

 

 

ヘビーな内容だが

こんな映画がつくられることに

人間の素晴らしさを見る思い

 

 

 

過去の罪を認めて謝罪し

新たに踏み出せていないのは

わたしたちの国だけとちがうんやな

 

THE PROMISE 君への誓い


 

ブルーム・オブ・イエスタディ

 

 

とても期待して観に行ったのだが

なんとも不消化な思いで帰ってきた

 

 

 

ホロコーストを

現代の男女の恋愛に絡めていて

それが二人のお互いを知り絆を深める

大きなテーマなのだが・・・

 

 

 

うーん

ふたりがキレるとめちゃくちゃだったり

彼の家庭での妻との関係だったり

 

 

 

 

人間生きてりゃ色々あるのはわかるが

結局ラブストーリー?

なんだかよくわからない展開と終わりだった

 

 

 

 

主人公の男性がハゲていたり

女性が柔術使いで男性を助けたり

おおよそ常識をひっくり返す内容と展開

それは実にドイツらしいなーと感心

 

 

 

 

これもアリなのか・・・

 

 ブルーム・オブ・イエスタディ 公式サイト


 

ヒトラーを欺いた黄色い星

 

 

 

なんとあの時代に

ユダヤ人でありながら

強制収容所に送られず

 

 

 

逃げたり隠れたりしながら

生き延びた人のストーリー

 

 

 

恐怖政治になると

何が怖いって「人」だと思う

 

 

 

昨日まで笑って挨拶していた隣人が

手のひらを返して密告したり

何が起ころうと見なかったフリをする

気が狂いそうな恐怖

 

 

 

生きることをあきらめない

そして

生きていたら それがすべてだ

 

 ヒトラーを欺いた黄色い星 公式サイト

 


 

キートンの大列車追跡

 

 

 

映画が白黒で無声だった時代の作品

夏の美術館のこども向けのイベントで

弁士が語り

ピアノの生演奏つきの上映会だった

 

 

 

チャップリンを思わせるキートン

なぜか白塗りの顔

コミカルな動きが笑いを誘う

 

 

 

弁士がすべての役者の声を演じ

ピアノは汽車の動きや

登場人物の心情を表す曲を演奏

小さいこどもも大笑いしている

 

 

 

初めて見た無声映画

脚本などなく弁士が映画を見て

セリフや語りを決めているそうだ

 

 

 

観客の様子がダイレクトに伝わり

弁士が楽しそうだった

ライブはいい

 

 

映画評「キートンの大列車追跡」


 

 father  カンボジアへ幸せを届けたゴッちゃん神父の物語

 

 

 

難民問題が世界中にある

いつまでもなくならない争い

 

 

 

カンボジアの内戦で

全てをなくしたこどもたちを

引き取り育てた神父が

カンボジアに学校を建設するドキュメンタリー

 

 

 

今や90歳近い神父が

動くのも辛そうなのにカンボジアへ行く

学校で学ぶこどもたちのきれいな目

 

 

 

多感な時期にものすごい恐怖と

家族を奪われたこどもたちが

おとなになって神父の活動を助けている

 

 

 

人間の愚かさと素晴らしさ

型破りな神父の行動力

たくさんのこどもたちの「father」

 

 father 公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

ゲッペルスと私

 

 

またナチスもの

ゲッペルスの秘書をしていて

映画撮影時103歳の女性の

ロングインタビュー

 

 

 

記憶はクリアで

しかも「わたしは悪くない」と

うまく論理を捻じ曲げて流暢に話してる

 

 

 

かと思うと

「あの体制からは誰も逃れられない」と

言い訳をしてる

 

 

 

この人に罪があるかどうか

がテーマではなくて

あの時代を生きて

狂気の中心部にいた人の生々しい話から

 

 

 

誰もがこの人になりうること

あんな事態が起こらないように

一市民が考えて欲しいのだと思う

 

 

 

このインタビューをした方の記事を読んだが

オーストリアの人で

彼の国も過去の戦争の反省をしていないのだとか

 

 

 

歴史を学ばない国で何が起こっているのか?

マイノリティ・弱者・人種への差別

戦争ができる法律づくり

危険な原発を海外へセールス

明らかな生命軽視

 

 

ゲッペルスと私

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 砂の女 

 

 

京都文化博物館のフィルムシアターで

古い映画の特撮シリーズ

 日本文学の最高傑作!?「砂の女」ってどんな作品?

 

 

 

安部公房の原作を映画化

1964年の白黒映画で

岸田今日子さんが出ていらした

 

 

 

なんともシュールな設定で

アリ地獄にはまった男の話のようだった

どこか砂漠で撮影したんだろうな

 

 

 

白黒だけど色を感じる

匂いや異様な雰囲気も伝わる

不思議な映画だった

 

wikipedia 砂の女

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モリのいる場所

 

 

山崎努さんと樹木希林さんが夫婦役

どこかすっとぼけたユーモラスな雰囲気

きたろうさんや加瀬亮君

姪っ子役の人もいい

 

 

 

熊谷守一氏をまったく知らなかった

絵は突き詰めると

シンプルになるんやろな

 

 

 

そして天才とは突き抜けた人

モリが外へほとんど出ることはなく

庭で生き物や自然をずっと眺め

アリがモリのお髭を歩くシーンは素敵

 

 

 

いろんな映画を観ていて思うが

「似た感じの人」とか「芸術に生きた人」とか

人を分類はできる

けど、みんなひとりひとりちがう

 

 

 

人とちがうことで不安になる人がいるが

「ちがうのが当たり前」なのだー

 

 

 

モリの誇り高い在り方を見ていて

これぐらい堂々といればいいのだと

とても気持ちが良かった

 

モリのいる場所 公式サイト


 

 

 

30年後の同窓会

 

 

「50歳のスタンド・バイ・ミー」

ベトナム戦争で辛い体験をした仲間3人

 

 

 

まったく連絡も取らず30年経ち

突然会いに来た主人公

再会には主人公の深い悲しみがあった

 

 

 

途方にくれた時に

誰の顔が思い浮かぶだろう?

 

 

 

ただひとりでは行きたくなかった

行けなかったんだろうな

 

 

 

ただの再会・友情復活物語でなく

アメリカが繰り返す愚かな戦争が

深く重く人々の心に沈んでいることが

浮かび上がる

 

 

 

男同士の距離感やバカな話は

世代を超えて同じらしく

息子の親友も一緒に笑い転げるシーンがいい

 

 

 

軍隊のカッコよさ

その裏にあるもの

メッセージ色のある映画ではないのに

アメリカが抱える闇が見える

 

30年後の同窓会 公式サイト


 

 

 

 

 

ガザの美容室

 

 

パレスチナ自治区のガザ

遠い遠い国

絶えない争いのニュース

 

 

 

そこが舞台の映画

美容室があり

個性的なファッションの女性が集う

外で戦闘が始まり恐怖に陥る女たち

 

 

 

 

女性が政治や経済や

世の中を回すすべてを動かせば

今よりもっといい世の中になる

と聞いたことがある

 

 

 

それはどこを見て何をするかが

現実的だからだと思う

 

 

 

ガザの女性たちも

それを知っている

遠い国の映画 もっと観たい

 

ガザの美容室 公式サイト

 


 

 

 

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

 

 

まわりから浮いた3人それぞれの葛藤

身に覚えがあって

痛くて切なくてヒリヒリ

 

 

 

海のそばの高校の風景が

とてもいい

 

 

 

ボロボロに泣いて鼻水だらだらで

なんでしゃべれないのか

自分でもわからない!!と

絶叫する志乃

 

 

 

3人でいい感じになるのかと思えば

静かなラスト

だけどバラバラに見える3人に

信頼ができたと思うナー

 

 

 

痛くて胸ぎゅんぎゅんの青春映画

タイトルがサイコー

 

志乃ちゃんは自分の名前が言えない


サウンドトラック

DVD
 

 

 

 

 

ひゃー 書くのも疲れた💦

観た映画が濃いかったからなぁ

 

 

 

どれも秀作でしたが

日本映画では「モリのいる場所」

外国映画では「キートンの大列車追跡」

がナンバー1かな