酷暑の今年は涼みに映画館へ
そしてホールや美術館など
映画イベントへも
関西の美術館が
7月8月中に使える加盟施設を
利用できるパスポートみたいなの
発売してた
映画館もやってほしいなー
- THE PROMISE
- ブルーム・オブ・イエスタディ
- ヒトラーを欺いた黄色い星
- キートンの大列車追跡 ★
- father
- ゲッペルスと私
- 砂の女 ★
- モリのいる場所
- 30年後の同窓会
- ガザの美容室
- 志乃ちゃんは自分の名前が言えない
以上を観ました
★は映画館以外の施設で観たもの
THE PROMISE 君への誓い
第一次世界大戦でトルコが
アルメニア人を大量虐殺し
未だトルコ政府はその事実を認めていない
わたしはこれを
「消えた声が、その名を呼ぶ」
http://www.bitters.co.jp/kietakoe/introduction.html
という映画で知った
或る日突然アルメニア人だというだけで
捕らえられ奴隷になる
夢も希望も家族も仲間もすべてを奪われる
嘘の不安や恐怖で
集団を悪い方へ引っ張り
暴徒化させるのは いとも簡単で
わたしたち人間の弱さを見る
ヘビーな内容だが
こんな映画がつくられることに
人間の素晴らしさを見る思い
過去の罪を認めて謝罪し
新たに踏み出せていないのは
わたしたちの国だけとちがうんやな
ブルーム・オブ・イエスタディ
とても期待して観に行ったのだが
なんとも不消化な思いで帰ってきた
ホロコーストを
現代の男女の恋愛に絡めていて
それが二人のお互いを知り絆を深める
大きなテーマなのだが・・・
うーん
ふたりがキレるとめちゃくちゃだったり
彼の家庭での妻との関係だったり
人間生きてりゃ色々あるのはわかるが
結局ラブストーリー?
なんだかよくわからない展開と終わりだった
主人公の男性がハゲていたり
女性が柔術使いで男性を助けたり
おおよそ常識をひっくり返す内容と展開
それは実にドイツらしいなーと感心
これもアリなのか・・・
ヒトラーを欺いた黄色い星
なんとあの時代に
ユダヤ人でありながら
強制収容所に送られず
逃げたり隠れたりしながら
生き延びた人のストーリー
恐怖政治になると
何が怖いって「人」だと思う
昨日まで笑って挨拶していた隣人が
手のひらを返して密告したり
何が起ころうと見なかったフリをする
気が狂いそうな恐怖
生きることをあきらめない
そして
生きていたら それがすべてだ
キートンの大列車追跡
映画が白黒で無声だった時代の作品
夏の美術館のこども向けのイベントで
弁士が語り
ピアノの生演奏つきの上映会だった
チャップリンを思わせるキートン
なぜか白塗りの顔
コミカルな動きが笑いを誘う
弁士がすべての役者の声を演じ
ピアノは汽車の動きや
登場人物の心情を表す曲を演奏
小さいこどもも大笑いしている
初めて見た無声映画
脚本などなく弁士が映画を見て
セリフや語りを決めているそうだ
観客の様子がダイレクトに伝わり
弁士が楽しそうだった
ライブはいい
father カンボジアへ幸せを届けたゴッちゃん神父の物語
難民問題が世界中にある
いつまでもなくならない争い
カンボジアの内戦で
全てをなくしたこどもたちを
引き取り育てた神父が
カンボジアに学校を建設するドキュメンタリー
今や90歳近い神父が
動くのも辛そうなのにカンボジアへ行く
学校で学ぶこどもたちのきれいな目
多感な時期にものすごい恐怖と
家族を奪われたこどもたちが
おとなになって神父の活動を助けている
人間の愚かさと素晴らしさ
型破りな神父の行動力
たくさんのこどもたちの「father」
ゲッペルスと私
またナチスもの
ゲッペルスの秘書をしていて
映画撮影時103歳の女性の
ロングインタビュー
記憶はクリアで
しかも「わたしは悪くない」と
うまく論理を捻じ曲げて流暢に話してる
かと思うと
「あの体制からは誰も逃れられない」と
言い訳をしてる
この人に罪があるかどうか
がテーマではなくて
あの時代を生きて
狂気の中心部にいた人の生々しい話から
誰もがこの人になりうること
あんな事態が起こらないように
一市民が考えて欲しいのだと思う
このインタビューをした方の記事を読んだが
オーストリアの人で
彼の国も過去の戦争の反省をしていないのだとか
歴史を学ばない国で何が起こっているのか?
マイノリティ・弱者・人種への差別
戦争ができる法律づくり
危険な原発を海外へセールス
明らかな生命軽視
砂の女
京都文化博物館のフィルムシアターで
古い映画の特撮シリーズ
安部公房の原作を映画化
1964年の白黒映画で
岸田今日子さんが出ていらした
なんともシュールな設定で
アリ地獄にはまった男の話のようだった
どこか砂漠で撮影したんだろうな
白黒だけど色を感じる
匂いや異様な雰囲気も伝わる
不思議な映画だった
モリのいる場所
山崎努さんと樹木希林さんが夫婦役
どこかすっとぼけたユーモラスな雰囲気
きたろうさんや加瀬亮君
姪っ子役の人もいい
熊谷守一氏をまったく知らなかった
絵は突き詰めると
シンプルになるんやろな
そして天才とは突き抜けた人
モリが外へほとんど出ることはなく
庭で生き物や自然をずっと眺め
アリがモリのお髭を歩くシーンは素敵
いろんな映画を観ていて思うが
「似た感じの人」とか「芸術に生きた人」とか
人を分類はできる
けど、みんなひとりひとりちがう
人とちがうことで不安になる人がいるが
「ちがうのが当たり前」なのだー
モリの誇り高い在り方を見ていて
これぐらい堂々といればいいのだと
とても気持ちが良かった
30年後の同窓会
「50歳のスタンド・バイ・ミー」
ベトナム戦争で辛い体験をした仲間3人
まったく連絡も取らず30年経ち
突然会いに来た主人公
再会には主人公の深い悲しみがあった
途方にくれた時に
誰の顔が思い浮かぶだろう?
ただひとりでは行きたくなかった
行けなかったんだろうな
ただの再会・友情復活物語でなく
アメリカが繰り返す愚かな戦争が
深く重く人々の心に沈んでいることが
浮かび上がる
男同士の距離感やバカな話は
世代を超えて同じらしく
息子の親友も一緒に笑い転げるシーンがいい
軍隊のカッコよさ
その裏にあるもの
メッセージ色のある映画ではないのに
アメリカが抱える闇が見える
ガザの美容室
パレスチナ自治区のガザ
遠い遠い国
絶えない争いのニュース
そこが舞台の映画
美容室があり
個性的なファッションの女性が集う
外で戦闘が始まり恐怖に陥る女たち
女性が政治や経済や
世の中を回すすべてを動かせば
今よりもっといい世の中になる
と聞いたことがある
それはどこを見て何をするかが
現実的だからだと思う
ガザの女性たちも
それを知っている
遠い国の映画 もっと観たい
志乃ちゃんは自分の名前が言えない
まわりから浮いた3人それぞれの葛藤
身に覚えがあって
痛くて切なくてヒリヒリ
海のそばの高校の風景が
とてもいい
ボロボロに泣いて鼻水だらだらで
なんでしゃべれないのか
自分でもわからない!!と
絶叫する志乃
3人でいい感じになるのかと思えば
静かなラスト
だけどバラバラに見える3人に
信頼ができたと思うナー
痛くて胸ぎゅんぎゅんの青春映画
タイトルがサイコー
DVD
ひゃー 書くのも疲れた💦
観た映画が濃いかったからなぁ
どれも秀作でしたが
日本映画では「モリのいる場所」
外国映画では「キートンの大列車追跡」
がナンバー1かな