樹木希林さんの訃報…
ご病気だとは知っていたけれど
「万引き家族」「モリのいる場所」と
ご活躍だった
そういえば渥美清さんも晩年
かなりキツいながら寅さんシリーズに
出ていらしたと聞く
役者さんだから
「元気そうに見せて」おられたんやろうなぁ
希林さん お疲れさまでした
さて9月は7本
- ハンナ・アーレント
- A
- A2
- 輝ける人生
- ゲティ家の身代金
- 1987、ある闘いの真実
- バトル・オブ・ザ・セクシーズ
ハンナ・アーレント
これね
ハンナのセリフをしっかり理解しないと
なんかよーわからん、になってしまう
ナチス側の被告をただ「悪い」ではなくて
その人が自分のした仕事を
どう考えてどう捉えて手を下していたのか
そこをハンナは見抜いたのね
そこを書いて大論争になり
ナチスを許せない人たちは
ハンナの主張を理解できず
残念ながら袂を別つことになったり
大きく括ると同じところにいるのに
それが理解できずハンナを孤立させるの
自分の頭でちゃんと考える
今起きていることを
自分の目で耳で確かめて
ハンナは熱く語っている
A
オウム真理教のサリン事件後
教祖・幹部らが逮捕された後の教団の中
広報となった荒木氏を中心に撮られた
ドキュメンタリー(98年製作)
眠くなるかと思えば
どんどん目が冴えてくる
最近、オウムの幹部らが死刑になった
一体あの事件は何やったん???
自分の20年前を思い出しながら
オウムに青春を捧げる彼らを見た
いい歳の大人も
「自分の小さい頃からの疑問に
きちんと答えてくれたのは教祖だけだった」と
逮捕後も崩れない信仰を語っていた
オウムのやったことは
もちろん許されることではない
だけど「オウム」だけの問題とちがう
そう思った
日本の社会の歪みから生まれたもの
オウムにしか
居場所がないと感じている信者たちは
ブラック企業やいじめや同調圧力や
政治不信やそういうものと同じなんちゃうかな
よく、オウム側も撮らせたと思うし
森達也監督もいいとか悪いとかを横に置いて
ただ目の前の事実を撮っていて
その迫力に迫られ眠くなる暇もなかった
A2
「A」の続編
マスコミの報道が事実とちがうことが
何度も出てくる
サリンの製造やあの事件を全く知らずに
ただ宗教としてオウムの中で
生きる人たちまでひっくるめて
「オウム真理教」として叩きまくるのは
見ていて違和感を感じた
マスコミの報道が
不安や怒りを煽るばかりで
実は教団の施設周辺の住民と
和やかに話したり
教団に属する彼らは
ごく普通の若者であることを
全く報道していなかった
そしてこの事件の背景に何があるのか?
そんな核心に触れるような報道が
あったのだろうか?
そしてもうひとつ
被害者である河野義行さんの家に
お詫びに行くシーンがあった
よく河野さんが彼らを家に上げたなぁと
いうのが正直なところだけど
彼らのまるで他人事のような
謝罪にもなっていない文章には呆れた
高学歴で純粋
出家してるとは言え
事の重大さを理解しているとは思えなかった
彼らがこんなことになっても
教団への信仰が揺るがないというのは
物事をきちんと見れてないだけ
わたしはそう感じた
輝ける人生
高齢者と言うと失礼だが
若くはない男女が主人公の映画も
増えたなぁ
時代は変わった
これまで懸命に生きてきた主人公が
自分の不自由さに気づき
本来の自分で生きていなかったことに気づく
あれ?どこかで聞いたような(笑)
こどもの頃好きだったダンスに
再び開眼し楽しみ始める
やっぱりからだを動かすっていいねんナ
理屈ちゃうねん
ラストシーンがいい
本当に身をもってやってみる主人公
ふたりに幸あれ
ビフ役(主人公の姉)の女優さんが
「こんな風に年を重ねたい」と思わせる
なんともキュートで魅力的なヒトだった
チャーリー役のティモシー・スポール
「否定と肯定」では
ものすごく嫌なヤツだったけど
この映画ではとてもチャーミングだった
帰り道、空を見上げて
「生きてるってわるくない」
スキップしたくなった
ゲティ家の身代金
この映画の大事なキャスト
石油王ジャン・ポール・ゲティ役
クリストファー・プラマーのこれまでの役を見ていて
あの「サウンド・オブ・ミュージック」の
トラップ大佐だったとは!
この役をケヴィン・スペイシーがやって
撮り終わっているのに降板し
急遽交代したという曰く付き
もうひとりミシェル・ウィリアムズ
彼女を「ブルーバレンタイン」で知って
「マンチェスター・バイ・ザ・シー」
「グレイティスト・ショーマン」
近年大活躍
このミシェルが誘拐犯にも
大富豪義父にも物怖じしない強い母親役
実際にあった話らしいが
参った様子は見せても泣かへんところが
日本の誘拐ものとはちがうねん
事件後、用心棒の男性が
安泰のポジションにつけそうなのに
去って行く
彼なりにこの事件を通して
自分の大事なものを見直したのだと思う
1987、ある闘いの真実
「タクシー運転手〜約束は海を越えて」
と合わせて見る韓国近代史
つい最近聞いたのは
韓国が新しい大統領になって
景気も上向き、人々が明るい
街も活気づいていると
北朝鮮との和平にも大きく踏み出し
想像もできなかったような
北と南のリーダーが手を取り合う映像が
世界に流れた
ここに至るまでの韓国の負の歴史
日本で言うところの公安警察の酷さ
拷問シーンのリアルさに何度も目を覆った
不審な遺体処理の書類に
上司やまわりからどんな圧力がかかっても
Noをはっきり言う骨のある検察官
彼を見ていて感じた
「賢いことは強い」と
ただの書類のその裏にあるものに気づける力
クビになっても命を狙われても
自分を守る方法を見つけられる賢さ
「タクシー運転手」にも出ていたユ・へジン
地味だけど熱い今回もとてもいい役
彼の存在感が光る
権力側と闘う決意をする新聞社の上役
本当のことを伝えようとする記者たちの熱意
本当の意味で人々のための仕事は
こんなにも人を生き生きとさせる
この映画をラジオのコーナーで
熱く紹介された尾上さとこさん
シネコンの映画紹介が多い中
本当にいいものを観て確かめて放送に乗せる
こんな小さなことが
世界を変えるとわたしは思う
バトル・オブ・ザ・セクシーズ
映画を観終わって帰り道
賀茂川で広い空を見ながら思った
「わたしもチャレンジャーでありたい」
って
「La La Land」でブレイクしたエマ・ストーン
この人浮かれもせず
大ヒットの後にいい映画に出た!
(誰かさんとは大違い?)
1970年代あのアメリカにも
こんな女性差別があったとは!
(同様のことが日本の女子サッカー界にもある💧)
全米女子テニスチャンピョン
ビリー・ジーン・キング
始まりの映像から魅せられた
「スラム・ドック・ミリオネア」のスタッフ
が集まったという映画だけに
エンターテイメントかつ
メッセージもある
日本でもようやく認知されつつあるLGBT
アメリカでもこんな時があったんや
アラン・カミングの印象的なセリフが
心に残る
9月のナンバ-1は
「1987、ある闘いの真実」
今月もいい映画が来る
最後の「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」に
出ていたアラン・カミング
彼の歌にしびれた
「チョコレート・ドーナツ」がまた来る
期待するのは
樹木希林さん特集
どこかやってくれへんかなぁ