音楽と希林さんと「ジョアン・ジルベルトを探して」「レディ・マエストロ」「”樹木希林”を生きる」他*2019年10月に観た映画

暑くて災害だらけの10月が終わった

 

 

10月は音楽の映画を何本か観たのと

樹木希林さんの作品が2本あった

そして予定していなかった京都国際映画祭へ行った

 

 

観た映画はこちら

  • ジョアン・ジルベルトを探して
  • レディ・マエストロ
  • ”樹木希林”を生きる
  • 火宅の人
  • BOLT
  • ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー
  • くらやみ祭の小川さん
  • パドマーワト
  • ガーンジー島の読書会の秘密
  • ANNA
  • 命みじかし 恋せよ乙女

 

 

 

 

ジョアン・ジルベルトを探して

 

 

ボサノバの第一人者

つい先日亡くなられたんだっけ

 

 

いつも聞いているラジオで

宮沢和史さんが自身の音楽について

語る番組があった

 

 

やっぱり彼は「ブラジル」

ボサノバも挙げていて

そこでもジョアン・ジルベルトの名前を聞いた

 

 

洋楽に弱いわたしも知っているボサノバ

ジョアンの名前

 

 

このドキュメンタリーで

2008年以降、姿を隠し

人に会わない彼を追いかけている

 

 

結局彼に会うことはできず

彼の残した足跡ばかり

でも、そこから彼の姿が浮かび上がるようだった

 

 

彼の声、歌、ギター

この先もずっと残ってゆく

作品に彼のすべてが現れている

「ジョアン・ジルベルトを探して」公式サイト

 

 

 

 

 

 

レディ・マエストロ

 

 

あいち・トリエンナーレの津田大介氏が

女性の美術家が認められていない

という話をしていた

 

 

確かに!

草間彌生さんぐらいしか知らないや

 

 

なんだかんだ言って

やっぱり女性が世に認められていない

”指揮者”も

 

 

愛のかけらも感じられない養母

音楽学校への進学など夢のまた夢の貧しい暮らし

だけど

彼女が音楽に惹きつけられてやまないシーンに

わたしまで胸が高鳴る

 

 

体当たりの彼女に

早く道を開いてあげて!と祈るような気持ちになった

 

 

愛する人と結ばれなかった

彼はずっと時が経ってからわかるの

「君の才能を葬り去ろうとしてた」と

 

 

困難を極めたけれど

ありがとう

あなたのような人がいてくれたから

今、わたしには選挙権があったり

まだパーフェクトではないにしろ

自由に学校や仕事や住むところや結婚相手を選べる

 

 

生きてる、それだけで可能性がある

それを体現した彼女を女性に観て欲しい

レディ・マエストロ 公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

”樹木希林”を生きる

 

 

晩年4つの映画に出演

1年間追いかけたドキュメンタリー

 

 

良さそう!と思うでしょ

これね、希林さんのプロとしての顔を知る

 

 

 

最初は撮り手の

「希林さんをもっと知りたくなりました」は

うなづけたけど

 

 

進めば進むほど

そこから先をどうしたいのか

撮り手の意図を感じられず

 

 

一緒につくる希林さんが

撮り手に対して厳しい発言を繰り返すのね

 

 

それは相手を批判するだけじゃなくて

「映画を一緒につくる者として」

当然の言葉だということが見えてくる

 

 

希林さんの状態を考えると

何かが起こるのを待つという姿勢では

完成しない

 

 

そしてそんな映画を希林さんは許さない

 

 

「万引き家族」「モリのいる場所」

「日日是好日」「命みじかし、恋せよ乙女」

最後の映画がもうすぐ京都で観られます

 

 

「モリのいる場所」のヘア担当の若い女性に

飄々としながらも厳しい言葉と

優しい気持ちを感じさせる希林さん

 

 

知らなかった希林さんに出会った

「で、あんた どうすんのよ、これから」

って声が聞こえた

 

 

きっとね

観る人に「あなたはどうなの?」って

希林さんがあの目で問いかける映画

”樹木希林”を生きる 公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

火宅の人

 

 

京都国際映画祭での1本

改めて深作欣二監督作品を見て

わたし「蒲田行進曲」と「里見八犬伝」は観たなぁ

 

 

もう亡くなっておられるのねー・・・

それすら知らなかった

 

 

で、「火宅の人」

檀一雄という小説家は全く知らなくて

壇ふみのお父さん

 

 

 

今、壇ふみを調べていて

「火宅の人」は口述筆記かぁ

ちなみにこの映画に檀一雄の母親役で出演

 

 

 

1986年の作品やったんや・・・

ま、そういうのは調べたらわかる事やから置いといて

 

 

 

このタイトルは知っていて

緒形拳だ、いしだあゆみ、松坂慶子

原田美枝子・・・俳優陣の顔ぶれと

 

 

 

なんというのか

国際映画祭でかかる意味

深作欣二監督

よくわからないまま観てもいいなぁ

ぐらいの気持ちで

 

 

 

観て感じたのは

今の時代にない何と言ったら良いのか

エネルギー?パワー?

 

 

 

緒形拳の

「俳優バカ」みたいな側面が存分に出てる

この人本気で原田美枝子を殴ってる

手加減してない

 

 

 

女優さんが額から出血して演じてる

この頃、原田美枝子さんも売り出し中なんだろうけど

大物感半端ない・・・

 

 

 

日本がまだ貧しい時代の映画

でも、ここ大事なのよね

今のわたしたちに知らされていない時代

 

 

 

そんな目線で観て欲しいかなー

火宅の人 予告編

こちらもおもしろいなブログ


 

 

 

 

 

 

 B O L T

 

 

京都国際映画祭での2本目

林海象監督&永瀬正敏と知ると

「濱マイクシリーズ」を思い出す

 

 

終了後に監督と出演した俳優の後藤ひろひとさんとのトークで

高松市美術館でのアート作品で撮った映画

であることを知る

 

 

しかも撮影を来場者に見せながら

という大胆な試み

 

 

ここを知らずに観て

原発の中をこんな風に表現するのか

作業員の防護服のデザインにも驚き

 

 

こういうテーマはタブー的な空気を

わたしは感じるのだけれど

すごくチャレンジングで恐れていない

 

 

その勇気だけでも脱帽やわ

 

 

なんで人間が人間の手に負えないものを

作ってしまったんやろ・・・

締めても締めても漏れ出す汚染水

 

 

あの音や水の流れを見ている恐怖

アレを「なかったこと」にはできひんやろ

映画「BOLT」 サイトcinefilの記事

 

 

 

 

 

 

ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー

 

 

忌野清志郎さんの伝説のライブ

来年1月に16年ぶりに開催するニュース

清志郎さんが旅立って10年だと言う

 

 

そのタイミングで京都国際映画祭に

この映画がかかる

 

 

King of Rockと呼ばれる清志郎さん

懐かしい笑顔、歌声

 

 

矢野顕子さんとの「ひとつだけ」の

ライブ映像が嬉しかった

音としては何回も聞いていたけど

映像で初めて見た

 

 

矢野さんのピアノに合わせて

ふたりで歌い

最後は手を繋いでステージを後にする

あのピースフルな仲間的な空気

 

 

矢野顕子さんが

「清志郎さんと一緒にやると引き出される」と

言われていたのが印象的

 

 

斉藤和義、Chara、ハナレグミ、布袋寅泰

山崎まさよし、CHABOさん、細野晴臣、坂本冬美

トータス松本、矢野顕子  etc…

まぁー、すごい面々が出てはります

 

 

多くのアーティストからリスペクトされ

今も愛されている清志郎さん

その秘密がわかる映画

 

 

そしてあらためて

清志郎さんのファッションセンスにグッときた

 

 

あの柄on柄、メイク、アクセサリーの重ね付け

誰も真似できないし、似合わない

あれはやっぱり「清志郎さんだから」

 

 

共演アーティストとお揃いの

イベントTシャツを着ていても

袖をびらびらに切っていたり

裾がのれんのようになっていたり

 

 

絶対そのまま着てはらへん

清志郎さんなりのアレンジをしてはる

 

 

クィーンのマネなのか

ラメでギラギラの王冠とマントで

ニコニコして出てくる清志郎さん

あの笑顔が今も心に残る

ナニワ・サリバン・ショー予告編

(これ見てもちょっとウルっときた💧)


動画配信やってました!(楽天SHOWTIME)

DVD

Blu-ray 初回限定版

 

 

 

 

 

 

くらやみ祭の小川さん

 

 

タイトルはとても観よう!とはならない(笑)

だけど六角精児さんが主演で

「おっ」と思った

 

 

京都国際映画祭での1本

 

 

東京・府中で歴史あるお祭りを背景に

人生の後半に差し掛かった男の話

本当に存在する「くらやみ祭」(嘘みたい)

 

 

小川さんは訳知り顔でええ事を言うわけでもなく

理不尽さに怒るわけでもない

物足りない思いで観ていたけど

 

 

会社を離れた小川さんは

新しい世界でいろんな人に出会い

揉まれて変わってゆくの

 

 

映画が終わって六角さんと監督が舞台挨拶

六角さんから観た小川さんの話

やっぱり役者さんって

発想や着眼点が違うなぁと感心する

 

 

ナマの六角さんの人となりに触れられて

前よりもっと好きになった

 

 

(日本もこんな風にフツーの人を主人公にした映画

増えて欲しいなぁ)

くらやみ祭の小川さん 公式サイト

 

 

 

 

 

 

パドマーワト

 

 

ユーモアなしのインド映画

女性の美って何だろな

外見も心も綺麗な人っている

 

 

品も大切じゃなかろうか

特にこういう王妃という立場

 

 

史実ではなく創作らしいが

恋愛で結ばれた結婚でそれも幸せだっただろうけど

 

 

自国で簡素な服を着て

ジャングルを飛び回り弓矢を使っていた方が

彼女は幸せやったんちゃうやろか

でも、彼女が自分で選んだことやな

 

 

王に意見したり王の不在に指揮を取ったりと

自分がリーダーである事を自覚して

その力も兼ね備えている女性は

なんと魅力的だろう

 

 

それにしてもインド映画は

圧倒的な人数で魅せる(笑)

パドマーワト 公式サイト

 

 

 

 

 

 

ガーンジー島の読書会の秘密

 

 

ガーンジー島?

初めて聞いた島の名前

なにやらミステリーっぽいタイトル

 

 

Facebookで予告編が流されていて

観たくなった

 

 

感心したのは

戦後の物語なんだけど

ちゃんと戦争が描かれてるねん

 

 

どれだけ食べ物がなかったか

ナチスに占領され夜間外出禁止だったとか

こども達をナチス上陸前に本土に疎開させたとか

 

 

主人公も

お家が爆撃で半分崩れ落ちた記憶が

まだ生々しく

 

 

その戦争が背景にどっしりとある

「秘密」の部分に隠されたものが

 

 

個人に罪はないのに

国同士が戦争してるから

そして同じ国民でも狭い島内で憎しみ合うところに

Keyがあるねん

 

 

海辺の景色が素晴らしかった事

いかにもイギリス人っぽい俳優さん達だった事

読書会の楽しげな様子(わたしも寄せて欲しい感じ)

見所満載

 

 

主人公は「ベイビー・ドライバー」の彼女!

当時の帽子のおしゃれが素敵でした

ガーンジー島の読書会の秘密 公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

 A N N A

 

 

おしゃれで可愛いアンナ・カリーナ主演の

ミュージカルが21年ぶりにデジタルリマスター版で公開

との話題

 

 

予告編はとても良かったのだけれど…

正直冒頭のシーンの意味不明感

会話のような歌のミュージカル

 

 

ブツブツと切れる感じがして

ストーリーが流れていない感じ

 

 

で、眠くなり

カクンカクンしながらになった

 

 

ラストはきれいやった

うっすら涙を浮かべて

電車から顔を出して風を受けるアンナ

 

 

特別な映画であることは

期待に胸を膨らませてきた私の前の男性の様子や

隣に座ったアンナみたいなビジュアルの女の子

見ていてわかったけれど

 

 

わたしは20代の頃のフランス映画を観ても

さっぱりわからない、あの感じだった

ANNA 公式サイト

 

 

 

 

 

 

命みじかし、恋せよ乙女

 

 

樹木希林さんの遺作であり

世界へのデビュー作

ところが、希林さんなかなか登場しない(笑)

 

 

小さい頃からの心の重荷

父・母・きょうだいとの関係

妻や娘とも上手く行かない男性の破壊と再生

 

 

ファンタジックな話でもあるから

てっきり希林さんがユウなのかと思った

 

 

ユウ役の日本人女優さんの動きや

体の動かし方、堂々と自分である姿勢を見ていて

この人タダモノちゃうやろーと思ったら

カーネギーでも踊ったダンサーだという

 

 

ドイツの女性監督の作品で

よく日本に似ているというドイツだが

日本に傾倒している人というだけあって

そのままの日本が表現されているように感じた

 

 

「生きてるんだから幸せにならなくちゃダメよ」

希林さんのセリフです

命みじかし 恋せよ乙女 公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

今月のNo.1は

ナニワ・サリバン・ショー 感度サイコー

数日前、坂本龍一が清志郎さんのことを以前語った動画を見た

「生きてるうちは弾いておいて

死んだらKing of Rockと祭り上げて」

胸が痛くなりました

 

 

レディ・マエストロ

ガーンジー島の読書会の秘密

この2本も素晴らしかったです

 

 

11月は是枝監督の「秘密」と

吉田修一原作の「楽園」は観に行くつもり!