新しい年になり
1/3が今年・初映画でした
しかも、お年玉を頂いたんです
監督のアフタートーク(ひとつめのお年玉)があって
参加しはった人たちが積極的に手を挙げて
感想や質問を発言するのにびっくり
しっかり「自分の言葉」で話さはるのです!
素晴らしい!すごいなぁ
で、映画がより深く楽しめました
・・・聞く側に回ってたら
監督に当てられて、これもお年玉
つくり手に想いを伝えられました
今月も濃ゆいこころに残る
そして後を引く映画ばかり
- 最後の晩餐
- マリッジ・ストーリー
- さよならテレビ
- ライフ・イットセルフ 未来に続く物語
- イン・トゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり
- だれもが愛しいチャンピオン
- 荒野の誓い
最 後 の 晩 餐
2020年1本目 家族の物語
大好きな永瀬正敏さんがお父さん役
斉藤由貴さんが魅力的にお母さんを演じている
「家族の愛は素晴らしい」という
よくある押しつけ泣ける家族神話、とちごて
常盤監督曰く「愛憎両方ある物語」
なんでお通夜の料理に目玉焼き?
そこからあの時の記憶が蘇ったり
ベットの下に転がったものを取ろうとして
同じ動作をした時のことを思い出したり
時間軸の繋げ方が
人間の記憶をうまく表していて
自然に回想シーンそして今へ戻るを
スムーズに流れるように見せていた
映画の後、監督のアフタートーク
映画を観たばかりの興奮といい気分が
混じり合って熱気があり
なるほど、そこを観てたのか!とか
そして監督自身が脚本を書かれていたので
どんな理由でこうしたのか?と
意図を聞くことができた…が、ほぼ「覚えていない」
降りてきたかのように、ガーッと書かれたらしい
構想は7年だったかな
長く温めてこられた内容だったそう
このアフタートークのおかげで
この映画の魅力を120%堪能できたかも
こちらでお喋りしています
マリッジ・ストーリー
スカーレット・ヨハンソンって
「her」の声やってた人!!
あー、この人やったんや
なんでこの人ら別れるん?と
出だしからはてなマークがいくつも出る
だって、こんなにいい家族やのに
途中、泥沼化するけど
あの罵り合いは相手へじゃなくて
自分への罵りなんちゃうかと思った
憎しみより愛が勝ってるように見えた
こどもの取り合いをやっているようで
どちらかが引き返したがっていて
そのタイミングでは相手は別れたがってる
別れたいけど
手放しがたいお互いへの理解や愛情に基づいた
フォローやカバーが随所にあって
観てたわたしが切なかった
何回も思った
「別れんでもいいやん!」
・・・人間にはどうにもならない事がある
どれだけ力を尽くしても
どうにもならない事がある
気がついたら
元には戻れない事ってあると思う
一緒になる時より別れる時の方が
何倍もエネルギーを要すると
いろんな人が語ってきたけど
それが可視化された映画
ラストは
「こう来るか〜」だったな
さ よ な ら テ レ ビ
東海テレビ 内側を見せるドキュメンタリー
見てる間中ずっとモヤモヤ、もやもや
ラストも「え」でした、正直なところ
後から、じわじわくるタイプで
作り手の意図が
ああちゃうか?こうちゃうか?と
後を引っ張ると言うのか
*いい内容の番組をつくる
*視聴率を取る
長い目で見れば
いい内容の番組であれば
視聴率は取れそうだけど
今は「これまでのセオリー」が
役に立たない変化と多様性の時代
だから上のふたつは
現場の人たちにとって矛盾すること
そして
”いい内容の番組”はそれだけ手間や時間がかかる
手間や時間を割ける余裕が現場にない
リアル放送事故を見せられる
過去の痛みを見せられる
上から降りてくる方針・ダメ出し
現場の苦悩
「もやもや」と「切なさ」がずっとあって
すっかり作り手の意図に絡め取られた感じ
こちらでも喋っています
ライフ・イットセルフ 未来に続く物語
予告編を見て、いい予感がした
映画が始まって
「あれ?失敗したかな」と・・・
最初はどうでもいい導入で
やたら騒々しくて
これも演出なんだと後でわかったけど
事実を効果的に見せるテクニックがうまくて
ひとつだけバラすと
「アビーが去った」というのは
ウィルの中であまりにも辛くて
事実を見ないようにした心の働き
これがわかるまで半分以上使ってる気がする
わたしはスペイン編がとても印象的だった
オリーブ畑、建物の質感、ピンクの花
独特の顔立ち
お金はたくさんないけれど
幸せなふたりに生まれた男の子が
本当に可愛らしく賢くて
観てるわたしが誇らしくなる
(特に家族旅行のバスで乗客に「Ora!」と挨拶
思わず乗客たちも笑顔になるシーンがとてもいい)
点と点が無数につながり
不思議な糸で出会い結ばれ別れ
生きている不思議を描く
そんなん、わたしにはない、と感じる人
・・・今は見えないだけ 誰もにある事
そんな素敵な予感と説得力があった
これも新年にふさわしい映画
ライフイットセルフ 未来へと続く物語 公式サイト
イン・トゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり
「博士と彼女のセオリー」
ホーキング博士の物語を演じた2人の俳優さんが
再びタッグ、と聞きこれは観たいなーと思った
「博士と彼女のセオリー」以来
フェリシティ・ジョーンズは「ビリーブ 未来への大逆転」
エディ・レッドメインは「リリーのすべて」と
2人とも簡単ではない役に挑み
いい作品を選んでいるなぁ!
あれ、本気が炸裂してたもんね
この2人が「出るよ!」と言うからには
脚本が素晴らしいにちがいない
そして信頼する京都シネマが
揚げるんやから間違いないでしょ
まだ天気予報がバカげたことと
捉えられていた時代
ひとりの科学者と気球乗り
数時間の空の旅が
ここまで困難でドラマチックだったなんて
黄色の蝶の群れ
どこまでも広がる怖いくらいの静けさ
すべて自分の勘と経験で空を旅する
あのスリリングさ
ある施設に入った女性が
ただ歩いてるだけなのに
どよめきが起こるような時代
(見ていて最初はわからなかった)
そこからは進化したとは思うけど
まだまだ
男性と同じ人間扱いは受けられらない社会
スタント使わずやったのねー
女優なら見せていいの?とこちらが思うくらいの
鬼気迫る表情にこちらがたじろぐ
2人と一緒にあの時代の空の旅ができる
きっと空は、この時代と
さほど変わっていないような気がする
イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり 公式サイト
だれもが愛しいチャンピオン
もうホンマに
めんどくさくて、ヤな奴で・・・
が、主人公
あの主人公に惚れ込む彼女が
わたしにはわからんのが最後まで引くけど
(ま、恋愛・結婚とはそーいうもの!?)
彼にとっては最後の砦
障がいって何やろ
彼らを「障がい者」と呼ぶなら
わたしもみんなも「障がい者」ちゃう?
負けてもあんなに喜べる
口ではボロカス言うてても
仲間を大事にできる
彼らの方が、素直で人間がよーできてる
このスピーチ必見
主人公みたいな男性、多いのかもしれへん
世界を知る・体験するって自分のためやナ
荒 野 の 誓 い
西部劇って
白人サイドから描かれてきた印象が強い
この映画では「先住民族」という言葉が
何度も聞かれて
「彼らの土地を侵略して差別して虐殺してる」
という見方の人間が何人も出てくる
家族の前で見せしめのように
酷い暴力・扱われ方をする男性のインディアン
一方で
夫、子ども2人、赤ちゃんをインディアンに殺され
家を焼き払われる白人女性
「どっちが正しい悪い」ではなく
憎しみや暴力は連鎖を生むだけ
そして人を狂わせる
を最後まで見せる映画
チームの兵士はびっくりするほど次々に死ぬし
白人同士でもレイプはあるし
争いは狂って当然なのかもしれない
先住民族との争いに
精神を病む兵士の言葉や姿
目の前で家族を殺された女性の狂気の振る舞い
俳優さんたちの力量も素晴らしいのだが
争いに何の意味もないことを改めて見せつけられた
銃を持つ方が簡単で
胸を開いて同じ立場で話し合うことの方が
むずかしい
銃は怖れの象徴なのかもしれない
2020年1月にわたしが観た映画No.1は・・・
マリッジ・ストーリー
家族の物語であり
パートナーシップがテーマでもあり
「自分の人生を生きる」という痛いまでの気づき
スカーレット・ヨハンソン
アダム・ドライバーの熱演も見事
成熟した大人の映画やと思う