生きてゆく上でわたしは何が大切なんやろう?「マルモイ ことばあつめ 」「WAVES」「Story of my Life」「ハリエット」*2020年7月に観た映画

まだまだ油断ならない状況だけど

映画を観られる喜び!や自由が

しみじみありがたい

 

 

こころのご馳走

 

 

今月は以下

  • お名前はアドルフ?
  • マルモイ ことばあつめ
  • WAVES
  • ルース・エドガー
  • カツベン!
  • 37seconds
  • 人生フルーツ
  • Story of my Life
  • ハリエット

 

 

 

 

お名前はアドルフ?

 

久しぶりのドイツ映画

舞台を見ているような感じだった

 

 

ほんのちょっとネタバレするが

「ヒトラー」は前座のようなもの

 

 

主な登場人物5人の内4人は長い付き合い

子どもの頃から知っている仲

そりゃいろいろ出てくる出てくる

 

 

家族の複雑さ

それでいて

やっぱり一緒にいるおかしさ

 

 

わたしはドタバタコメディだと思った

男性同士のマウンティング、とも言えるかな

 

 

日本とよく似ているらしくて

進んだ国と言われるドイツでも

女性がこんな感じなん?

 

 

ドイツの現実も垣間見る…

お名前はアドルフ? 公式サイト

 

 

 

 

マルモイ ことばあつめ

 

「タクシー運転手 約束は海を越えて」

「1987、ある闘いの真実」でも心に残るユ・へジンが

今回も彼にしかできない役で出演

 

 

不器用で愚直な愛情たっぷりのお父さん

熱い男が実にはまるユ・へジン

 

 

「舟を編む」の韓国歴史版とでも言うか

最後の字幕が忘れられない

 

 

言葉を奪い、名前を奪い、命を奪い

わたしたちの国は何をしたのか

今、歪められた歴史観が大手を振っている

 

 

「パラサイト」のアカデミーでの評価で

明らかになったけど

もうすでに映画づくりで韓国は

日本を追い抜いている

 

 

「金子文子と朴烈」では

日本人俳優も参加して日本語に違和感がなかったけど

この映画では韓国の人が日本人役で

たどたどしい日本語だった

 

 

それがすごく残念な気がした

 

 

監督・脚本は

「タクシー運転手 約束は海を越えて」の脚本を担当した

オム・ユナ氏

 

マルモイ ことばあつめ 公式サイト

 

 

 

 

 WAVES

 

 

全然知らなかった

いつも聴くラジオの映画コーナーで知った

ものすごくお久しぶりのシネコンで鑑賞

 

 

五感で感じ取る映画やった

色、音、想像できる手触り、明るさ…

画面の大きさもスクエアになったり大きくなったり

(そやから大きなスクリーンで観るのお勧め)

 

 

出来過ぎるって、やっぱり不自然やわ

弱音を吐けないし、年齢相応の反抗も出来ない

 

 

弱さを見せられるって

自分を開くことやと思った

 

 

家族それぞれの葛藤、ぶつかり合う姿

妹が自分のからだ・存在すべてで

悲しさや不安、安らぎを感じ取り

癒されてゆくのが美しかった

 

 

音楽、映像で見せる心理状態

その映像はぼやけた輪郭や光だったりする

 

 

人は親からの影響が後々まで強くあり

そこからいかに自分で飛び立てるか

それが誰もにとってのテーマなんだなと思った

 

 

そこらへんを

町山智浩さんがラジオで語っていた

(主人公が何度も飲む薬のことも

映画を見ただけではわからず

町山さんの話でわかった)

 

 

親も苦悩する

「私なりに悲しませてよ!」と

ぶつける母がとても印象に残った

 

 

新感覚の映画…という表現を何回か聞いたが

わたしは河瀬直美監督の「Vision」の時に

それを感じたし、決して新しくはないと思う

 

 

人生は皮肉やと思う

でも、やはりその人に来るべきコトが来て

向かうべき課題が来てるとも思う

 

 

この映画もまさに

WAVES  公式サイト

 
 

 

 

 

 

 

ルース・エドガー

 

 

何が怖いって、やっぱり人間かも

みんなが嘘をついている

みんなが善人でありダークサイドを抱えている

 

 

「WAVES」のケルヴィン・ハリソン・Jrが

ここでも主人公

なんかもう、ヤバい怖さ

最後の方の意味深なセリフと表情の変化

 

 

「あなたの未来のため」

「あの子には未来がある」

必死で守ろうとする母やけど

守ってるのはルースちゃうかもな・・・

 

 

事実はどうであろうと

どちらに味方するのか?という両親の会話

結局「信じたいもの」を

信じようとするけど二転三転する・・・

 

 

誰かを信じたい、自然な気持ち

その一見美しい気持ちに

エゴは隠れてないか?

 

 

一体、事実はどうなのか

はっきりしないまま終わる

〇〇は一体何やったん?がいくつも

 

 

先生の名前は「ハリエット」

主人公はバラク・オバマの再来と言われ…

などなど仕掛けが色々あるらしい

 

 

何かが匂うがはっきりしない

後からジワジワ感じた事が言葉になる

ルース・エドガー 公式サイト

 

 

 

 

 

 

星屑の町

 

 

舞台で25年間愛された作品なんですって

岩手県久慈で撮影され

東北で先行上映されたらしい

 

 

昭和のムード歌謡

歌ありお笑いあり人情あり

ベタではあるものの

 

 

主人公は「この世界の片隅に」の声の「のん」

彼女はNHKテレビ小説って言うんだっけ

「あまちゃん」で大人気を得た実力がある若手女優

 

 

訳のわからない干され方?をし

人気も実力も魅力も兼ね備えているのに

なんだかビミョーな評価

 

 

でもね、やっぱり出るべき人は出る

映画「この世界の片隅に」のすずさん役

そして「ナニワ・サリバンショー」

RCの清志郎の始めたイベントでも2020年度開催に出演

 

 

この映画でもギターを片手に熱唱

彼女の歌への情熱が伝わる声に

この映画は引っ張られる感じ

 

 

そして実力派戸田恵子さんのキティ岩城が

何とも味ある先輩ぶり

 

 

わたしは

自由に羽ばたいたもののイケてない兄に

フクザツな弟役の菅原大吉さんにすっかり魅せられたー

(でも人生後半にちゃんとご褒美が来る!)

 

 

愛が幼馴染に会った後の展開が

ちょっと雑な描かれ方やけど

ハローナイツはじめベテランさんが

ものすごええフォロー

 

 

昭和のムード歌謡

今、いろんな人がカバーするくらい

魅力のある独特の世界

 

 

お芝居も観てみたくなった・・・

 星屑の町 公式サイト

 

 

 

 

 

カツベン!

 

2度目の鑑賞

奈良国際映画祭プレイベントにて

ええのん掛けはってん

 

 

河瀬直美監督のラジオで

スタッフのインタビューを聞いたけど

 

 

「カツベン!」は新しいし借りるのも高いけど

映画祭の会場となった尾花ホテルは

かつて芝居小屋で映画館やった

 

 

その背景をこの映画では参考にしていて

先代の尾花座を経営されていた方が

ゲストとして上映後登場

 

 

映画に出ている役も役者自身も

作り手もみーんな「映画バカ」

その熱が伝わるねんナ、この映画

 

 

笑えるコメディなんやけど

 

 

このコロナ禍で

どんなに文化的なものに支えられているか

実感した人は多いやろけど

 

 

勿論、わたしもそのひとりで

文化を支える人たちも黙っていられない状況やから

その潮流もあったりして

 

 

そういう大きなものを

あらためて肌で感じる映画でもあった

 

 

ややチャラい(ごめん)成田凌くんが

役者として成長した作品でもあるし

(彼はまだ24だって、そりゃチャラくて当然やわ)

 

 

脇を固める豪華俳優陣の化けっぷりが

さすがと思わせる

 

 

周防監督、ブラボー!

カツベン! 公式サイト

前回鑑賞感想

 
 

 

 

 

37seconds

 

 

奈良国際映画祭プレイベントにて

2回目の鑑賞

 

 

映画終了後

ZOOMで監督、母役神野三鈴さん

マイ役渡辺真紀子さんが

 

 

そこに奈良の河瀬直美監督が加わり

どうなる!?展開に

雰囲気はTwitterの@naraiffnaraiffをフォローしてもらうと

HIKARI監督の生の声が一部聞けます

 

 

これ2回目でね

やっぱり人って親からどうやって飛び立てるか?

ここなんだなーと思った

 

 

ハンディキャップを持つ主人公は

この若さで飛び立とうとする物語

(わたしなど未だにモゴモゴしてるー笑)

 

 

その母役を演じた神野三鈴さんの素顔に触れて

もがく姿ってうつくしいな、と思えた

 

 

自分ではきっと

みっともないように感じるけど

あのお母さんが夕立のようにぼたぼた落とす涙

あれ見たら何にも言えなくなる

 

 

いろいろあっただろう渡辺真起子さん演じるマイ

性って、生きる事そのものなのかもしれない

あんな風に若いユマに接するマイって

憧れやな

 

 

ま、取り敢えず

観ないことには始まらへん

観たら話したい

37seconds 公式サイト

前回感想

 

 

 

 

人生フルーツ

 

これまた奈良国際映画祭プレイベント

初・大きなスクリーンでの鑑賞

観るのは3回目

 

 

わたし実はコレ

主人公がおじいさんとおばあさんで

自分でお金を払って観ようとはならなかったのね

 

 

友達が勧めてくれてPCの画面で観た

 

 

ほーんま先入観は邪魔をしてくる

受け入れ難いことほど実は必要かもしれへん

 

 

あらぁ、ステキね

ぶっちゃけ、それでも済ませられる

 

 

でも何にそう感じたのか?

どこが良かったのか?

そこを深掘りして初めて

この映画を観た自分なりの意味に出会える

 

 

人間は歳をとる

この先、これでいいんだろうかと

考える時がやってくる、誰もに

 

 

そういう時に観たらいい映画かもしれない

人生フルーツ 公式サイト

 
 

 

 

 

 

 

Story of my Life

 

 

子どもの頃に読んだ「若草物語」

また読んでみよう!

 

 

何度かジワーときたのだけど

ぽろぽろと涙が溢れたのはラスト

セリフなし

 

 

わたしもジョーになった

 

 

四姉妹の姦しさ

喧嘩しても相手を思いやる姿勢

ずっと絆は保たれるうつくしさ

 

 

そうなのだ

女にとって結婚は「経済」だった

今も男性との格差は大きいから

クリアできているとは言えない

 

 

そして、しあわせは人それぞれ

ジョーは才能を活かして生きる事がしあわせ

だと考えるけど

 

 

それは万人に当てはまる事ちゃうねんナ

 

 

俳優陣がめっちゃゴージャス

繊細で美形なティモシー・シャラメくん

彼と共演何回目?のシアーシャ・ローナン

今回はこちらの特別映像で雰囲気を楽しめます

Story of my Life 公式サイト

 
 

 

 

 

 

ハリエット

 

 

アメリカの奴隷制度を描いたものは

本当に見るに耐えない残虐さで

思わず目を覆うシーンが必ずあり苦手なんだけど

これは観たいと思った

 

 

ひとつは主人公が女性で

自ら命をかけて奴隷にされている人たちを

助け出す、という稀な話だった事

 

 

そして、音楽が素晴らしい事

教会での牧師さんの歌や

主人公が歌で伝えるシーンなど

 

 

あれは演出ではなく

たぶん本当にああだったのだ

生活や仕事の中に自然に歌が存在した

 

 

ミュージカルではないが

本当に自然に当たり前のように

歌が彼らの中にあった

 

 

Black Lives Matterが叫ばれている今

このタイミングで

この映画というのは意味を感じる

 

 

監督・脚本は女性!

最後のセピア色の写真で見せた

キャストたちの写真や筆記体での紹介が

とても素晴らしかった

ハリエット 公式サイト

 
 

 

 

 

*今月はこれに触れずに終われません

エンリコ・モリオーネさんが亡くなった

この名作の音楽をぜひ(ダイジェスト版が見られます)

 

 

 

*今月は観た映画に不思議とつながりがあった

 

 

民族としての言語がテーマの「マルモイ」

自分たちの国の言葉は「誇り」

わたし達が日本語の四季感覚や

繊細な表現を誇るように

 

 

「WAVES」は自らの誇りがあるが故に

言えなくて苦悩する青年や家族

 

 

「ルース・エドガー」は「WAVES」と同じ

人種という問題を含んでいる

そして本音を言えない?言わない?主人公

というのも共通点

 

 

「カツベン!」は夢があるものの

自信がない青年がやっぱりやってみたくて

踏み出し夢を手にしてゆく

「自らの誇り」を獲得するプロセス

 

 

「37seconds」は大人になる”もがき”

自分とは一体何者なのか?

これも前述の映画に重なるテーマ

 

 

「人生フルーツ」は

何を選び、何を大切に考え、どう生きるのか

ある意味、前述の映画の若者達へのひとつの例

 

 

「Story of my Life」も

ひとりの人間として女性として

どう生きるのか?

その葛藤もテーマ

 

 

「ハリエット」は人種、女性と

これも生き方がテーマ

 

 

一見、すべてバラバラなようで

生き方や周りの人たちとの関係性は

共通のテーマ

 

 

こんな風に大きな視点で捉える事もできるのか

 

 

 

 

 

映画館ってどうなん?

危ないんちゃう?と思う方

こんな話もあります